米国のワイヤレス通信データ量が過去最大に、増加ペースは鈍化

米国でワイヤレス通信を通じてやり取りされるデータ量が、過去最大を更新しました。一方で、利用量そのものは大きく増えているものの、前年比の伸び幅は徐々に縮小しています。

米国の通信業界団体CTIAがまとめた最新のデータによると、2025年のワイヤレス通信データ量は159.3兆MBに達しました。2023年は100兆MB、2024年は132兆MBだったため、2年間で約6割増加した計算です。

データ量は増え続けるも伸びは鈍化

数字だけを見ると通信需要は依然として急拡大していますが、増加幅には変化が見られます。2023年は前年から26兆MB、2024年は32兆MB増えたのに対し、2025年は27.3兆MBの増加にとどまりました。

それでも、米国で2025年に消費されたワイヤレスデータは、4G時代全体を上回る規模になっています。通信ネットワークが処理しなければならないトラフィックは、数年前と比べて大幅に増加しています。

CTIAは今後もデータ需要が拡大すると予測しており、2032年には現在の約4倍に達する可能性があるとしています。特にAI関連の通信量は従来型の通信よりも速いペースで増えており、今後のネットワーク需要を押し上げる要因になるとみられています。

通信インフラへの投資も拡大

増え続ける通信量に対応するため、米国の通信事業者はネットワーク容量の拡大を進めています。2025年だけでも約300億ドルをネットワーク拡張に投じており、米国のワイヤレス通信業界における累計インフラ投資額は7630億ドルを超えました。そのうち、およそ3分の1は2018年に5Gが登場して以降の投資です。

基地局だけでなく、小型基地局であるスモールセルの整備も進んでいます。2018年以降、その数は約120%増加しており、現在では米国のワイヤレス基地局全体の約4割を占めるまでになっています。

スマートフォン以外の通信も増加

通信量を押し上げているのはスマートフォンやタブレットだけではありません。米国ではワイヤレスネットワークに接続された回線が6億件を大きく超えており、その約46%はスマートウォッチなどのウェアラブル端末、産業用センサー、ロボットなどのIoT機器です。

さらに、固定無線ブロードバンドも成長しています。CTIAによると、米国の家庭向けブロードバンド市場では4年連続で、純増分のほぼすべてを固定無線サービスが占めています。5Gを利用したホームインターネットの契約者は約1600万人に達し、2025年だけで390万人以上増加しました。

米国ではワイヤレス通信のデータ量そのものは過去最大を更新し続けています。今後はスマートフォンだけでなく、AIやIoT、固定無線通信などが新たな通信需要を生み出すことで、増加ペースが再び加速する可能性もありそうです。

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