PS5エミュレーターが急速に進化、ソニーのPC展開縮小に皮肉な展開

PS5向けタイトルのエミュレーションが、予想以上のスピードで進展しています。特にPS5エミュレーターのKyTyPS5では、これまで動作が極めて重かったタイトルが大幅に改善され、プレイ可能な状態に近づきつつあります。ソニーがシングルプレイ作品のPC展開を縮小する動きを見せる中で、ある意味では皮肉な状況になっています。

「Demon’s Souls」が2fpsから10~18fpsへ

KyTyPS5では、これまでBluepoint Gamesの「Demon’s Souls」が約2fpsで動作していましたが、最新ビルドでは10~18fps程度まで向上したと報告されています。単純計算では最大で約8倍という大幅な改善です。

さらに、Team Asobiの「Astro Bot」も初めてゲームプレイ画面まで到達したとされています。こちらはIntel Core i3-10105FとGeForce RTX 5060という比較的控えめな構成で約11fpsを記録したとされますが、描画にはまだ大きな問題が残っています。

現時点でKyTyPS5によって動作が確認されているAAAタイトルは、「Grand Theft Auto V」「Astro Bot」「Demon’s Souls」の3作品が中心です。このほか、「Stray」のようなインディー作品も動作対象となっています。

なお、今回の急激な性能向上については、エミュレーター開発にAI生成コードが利用されたのではないかという声も出ています。ただし、現時点でこれを裏付ける確かな情報はなく、あくまでコミュニティー内での推測にとどまります。

ソニーのPC戦略とは対照的な進展

今回の動きが注目される理由は、単にPS5エミュレーターの技術的な進歩だけではありません。

ソニーは近年、PC向けタイトルの展開方針を見直しており、これまでの「God of War」や「Horizon」シリーズのように、シングルプレイ作品をPCへ移植する流れが今後も同じ形で続くとは限りません。

一方で、PS5エミュレーションがこのまま進歩を続ければ、公式PC版が存在しないタイトルであっても、将来的にはPC上で動作させられる可能性が高まります。もちろん現時点では、実機のPS5、ましてPS5 Proと同等の安定性や画質、フレームレートを実現できる段階ではありません。

それでも、わずかな期間で「Demon’s Souls」の動作速度が大きく改善し、「Astro Bot」までゲームプレイに到達したことは無視できない進展です。

特にソニーがPC向けシングルプレイ作品の展開を抑える一方で、非公式のエミュレーション技術が急速に追い上げている状況は、同社にとって決して理想的とはいえません。

今後もKyTyPS5の開発が同じペースで進めば、現在は実用性に乏しいPS5エミュレーションが、数年後には大きく状況を変えている可能性があります。PS5世代のゲームをめぐって、ソニーが公式に提供するPC版と、エミュレーション技術のどちらが先にPCユーザーへ選択肢を広げるのかという、興味深い構図になりそうです。

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