
ソニーが新たに投入する「WH-1000XM4C」について、FCC認証資料の分解画像から内部構造が明らかになりました。結論から言えば、2020年発売の「WH-1000XM4」と非常によく似た設計となっており、完全な新設計というより、既存モデルをベースに一部の部品や仕様を変更したモデルとみられます。
基本構造はWH-1000XM4を継承
イヤーパッドを外した内部構造を見ると、ドライバー周辺を含めてWH-1000XM4との共通点が多く確認できます。ドライバーそのものはFCC資料に写真がないものの、外観は従来モデルと同一と考えられています。

右側のイヤーカップ内部も基本的なレイアウトはほぼ同じです。ただし、バッテリー上部には新たに樹脂製のカバーが追加されています。

左側についても配置はほぼ共通ですが、大きな違いとしてNFC用の基板と接続部分が取り除かれています。WH-1000XM4CではNFCが省かれているため、この変更は自然なものといえそうです。
基板にも細かな変更、Bluetoothチップは同じ
サブ基板では、バッテリーのサーミスター用コネクターがなくなっています。また、バッテリーのコネクターは従来の2端子から3端子へ変更されており、それに伴って基板上の一部部品の配置も変更されています。

一方、メイン基板を見ると、Bluetoothチップには従来と同じMediaTek MT2811AAが採用されています。ただし、WH-1000XM4Cに搭載されているチップは2025年製とされ、2020年のWH-1000XM4に搭載されていたものとは製造時期が異なります。
NFC関連の部品や接続端子などが削除されているものの、それ以外の構造には大きな違いが見られません。記事では、端子やコネクターの構成が共通していることから、理論上はメイン基板を両モデル間で交換できる可能性も指摘されています。
ただし、実際に互換性があるかどうかは確認されていません。
バッテリー容量は1100mAhから930mAhへ
仕様面で比較した場合、明確な違いの一つがバッテリーです。
WH-1000XM4が1100mAhの3.7Vバッテリーを搭載していたのに対し、WH-1000XM4Cでは930mAhの3.7Vバッテリーが採用されています。容量は170mAh減少しており、これがバッテリー駆動時間の短縮につながっています。
| WH-1000XM4C | WH-1000XM4 | |
|---|---|---|
| LDAC/NCオン | 20時間 | 24時間 |
| LDAC/NCオフ | 27時間 | 30時間 |
| AAC/NCオン | 27時間 | 30時間 |
| AAC/NCオフ | 34時間 | 39時間 |
駆動時間は条件によって3~5時間短くなっていますが、内部構造そのものが大幅に変わったわけではありません。
Bluetooth 6.0対応は進化、それでもLE Audioには非対応
WH-1000XM4CではBluetooth 6.0に対応している点も、従来モデルとの違いです。一方で、WH-1000XM4CはLE AudioやLC3には対応していないとされます。
これは新しいWH-CH530やWH-CH730NなどがLE Audioをサポートしていることを考えると、やや意外な仕様です。Bluetooth 6.0対応チップを採用しながら、最新のオーディオ機能まで導入しなかった理由は現時点では分かっていません。
また、USB基板にはWH-1000XM4にはなかった自己復帰型ヒューズが追加されています。ソニーの上位モデルでは採用例がある部品ですが、USB PD充電対応を意味するものではないようです。
XM4Cは「ほぼ同じ」で一部を現代化したモデルか
今回の分解から見えてくるのは、WH-1000XM4CがWH-1000XM4から大きく設計を変えた後継機ではないということです。ドライバー周辺、イヤーカップ内部、マイク基板、メイン基板など、多くの部分で2020年モデルとの共通点が確認されています。
一方で、NFCの廃止、Bluetooth 6.0への対応、バッテリー容量の縮小、バッテリー接続方式の変更など、いくつかの明確な変更もあります。
特にバッテリー容量が1100mAhから930mAhへ減少したことで、駆動時間はWH-1000XM4より短くなっています。その代わり、Bluetooth 6.0対応など新しい要素を取り入れた格好です。
そのためWH-1000XM4Cは、名前こそ新モデルですが、実態としてはWH-1000XM4の基本設計をかなり引き継ぎながら、必要な部分だけを現代化したモデルと見るのが適切でしょう。


