
Sonyが2028年からPlayStation向けゲームのディスク版を廃止する方針を示すなか、これによってPS Storeで販売されるゲームの価格が将来的に下がる可能性があるとの見方が出ています。元Square Enix幹部で、現在はGenvidのCEOを務めるJacob Navok氏が、デジタル販売への移行によってパブリッシャー同士の価格競争が強まり、セールや価格変動が増える可能性を指摘しています。
Sonyは2026年7月、2028年1月以降にPlayStation向けとして発売されるゲームについて、物理メディアでの販売を終了すると発表しました。対象はSony Interactive Entertainmentが開発・販売するタイトルに限らず、サードパーティーのゲームも含まれます。
デジタルストア同士の競争だけでは価格は下がりにくい
Navok氏が指摘しているのは、ゲームの価格を決めるうえで重要なのは、SteamやEpic Games Storeといったデジタルストア同士の競争ではなく、同じストア内でパブリッシャー同士が競い合うことだという点です。
たとえばSteamとEpic Games Storeが競争しても、その影響は主に売上に対するプラットフォーム側の取り分に表れやすく、最終的にユーザーが支払うゲーム価格そのものには必ずしも大きな影響を与えないとしています。
一方、同じストア上で複数のゲームがユーザーの限られた購入予算を奪い合う状況になれば、パブリッシャー側が価格を引き下げたり、セールを実施したりする動機が強くなるという考え方です。
Navok氏は、その例としてFinal Fantasy 16のSteamでの価格推移を挙げています。発売直後の価格から時間の経過とともに値下げが進んでいることを、同じ市場内での競争による価格圧力の一例として説明しています。
PS StoreでもSteamのような価格変動が増える?
この考え方をPlayStationに当てはめると、PS Storeがデジタル販売に特化するほど、ゲーム同士の競争が強まり、価格にも変化が生じる可能性があります。
Navok氏は、PlayStation Storeがデジタル専用の市場になることで、この傾向がさらに強まると予想しています。具体的には、Steamで見られるような頻繁なセールや、需要に応じて価格を変えるダイナミックプライシングが増える可能性があるというわけです。
パッケージ版が存在する現在は、ゲームショップや通販サイトで中古品を含めた価格競争が起こっています。こうした物理市場がなくなる一方で、デジタル市場にゲームが集約されれば、パブリッシャー同士がPS Store上でユーザーの購入を競う構図がより明確になる可能性があります。
ディスク廃止には別の問題も
もっとも、デジタル化が進めばゲームが必ず安くなるとは限りません。価格を最終的に決めるのはパブリッシャーであり、ディスクの製造や流通にかかっていたコストがなくなったからといって、その分がそのまま販売価格に反映される保証はありません。
また、ディスク版がなくなることで、ゲームを中古で売買したり、友人に貸したりするといった物理メディアならではの自由も失われます。デジタル版の購入は、物理的なゲームそのものを所有することとは異なるため、購入後の利用権やサービス終了時の扱いをめぐる問題も残ります。
Sonyは2028年1月からPlayStation向けゲームの物理メディアを終了する方針をすでに明らかにしており、最近発売されたディスクドライブ搭載PS5のパッケージにも、2028年初頭から物理メディアのサポートを終了する旨を知らせる表示が追加されたとされています。
ディスク廃止がユーザーにとってメリットになるのか、それともデメリットのほうが大きいのかは、ゲーム価格やセール頻度、デジタル版の利用条件などが今後どう変化するかによって大きく左右されそうです。少なくとも、PS Storeを中心としたデジタル市場で価格競争が強まるという見方は、今後のPlayStationを考えるうえで興味深いポイントになりそうです。


