
Google Play ストアで、米国のAndroidユーザー向けに初となるサードパーティー製アプリストアの提供が始まりました。新たに追加されたのはAptoide Gamesで、これまでGoogle Play ストアを通じてしかアプリを入手しにくかったAndroidのアプリ流通に変化をもたらす動きとなっています。
今回の対応は、GoogleとEpic Gamesの法廷闘争を背景としたものです。GoogleはAndroid向けアプリの配信やアプリ内課金をめぐって違法な独占状態にあったと判断されており、その影響で米国ではGoogle Play ストア内からサードパーティーのアプリストアを利用できる仕組みが導入されました。
Google Play ストアからAptoide Gamesを導入可能に
Aptoide Gamesを利用するには、AndroidスマートフォンでGoogle Play ストアを開き、画面右上にあるプロフィールアイコンをタップします。

表示されたメニューを下へスクロールすると「サードパーティーのアプリストア」という項目があり、ここから対応ストアを確認できます。現時点ではAptoide Gamesのみが表示されており、選択するとAptoide Gamesをインストールするためのボタンが表示されます。
つまり、従来のようにユーザーがウェブサイトなどから個別にAPKをダウンロードして導入するのではなく、Google Play ストアの中からサードパーティーのアプリストアを選んでインストールできるようになったわけです。
Aptoide Gamesではゲーム以外のアプリも配信
Aptoide Gamesでは、無料・有料のさまざまなタイトルが提供されています。現時点で確認されている主なアプリは以下の通りです。
- Huawei Health:Android 6.0以降のスマートフォンで利用できる健康管理アプリ。Huawei製端末でなくても利用でき、心拍数、体重、睡眠、歩数などを記録できます。
- Clash of Kings:城を築きながら領主として戦うリアルタイムストラテジーゲーム。
- Vikings: War of Clans PvP:バイキングの族長となり、拠点を築いて軍隊を育成し、PvPやPvEの戦闘に挑むゲーム。
- Legend of Mushroom:キノコのキャラクターを操作し、人間になることを目指すRPG。
- LUDUS: Merge Arena PvP:100種類以上のヒーローを収集・強化し、アリーナで戦うゲーム。
- Wartune Ultra:都市を建設し、仲間と協力しながら闇の勢力と戦うストラテジーRPG。
- Saint Seiya: Legend of Justice:聖闘士星矢を題材としたRPGで、冥王ハーデスとの戦いなどを楽しめます。
- Duck Survival:ゾンビや巨大ボスと戦うローグライク系シューティングゲーム。
- The Ants: Underground Kingdom:アリのコロニーを発展させ、危機に対処しながら女王を守るシミュレーションゲーム。
現時点ではAptoide Gamesが唯一のサードパーティーアプリストアですが、今後対応するストアが増えれば、Google Play ストアを中心としてきたAndroidのアプリ配信環境がさらに変化する可能性があります。
背景にはEpic Gamesとの訴訟
今回の仕組みが導入された大きなきっかけとなったのが、Epic GamesとGoogleの訴訟です。
Epic Gamesは、Google Play ストアがアプリ内課金に30%の手数料を課していることなどを問題視し、手数料を回避するためにゲーム内へ独自の決済システムを導入しました。
これがGoogleのPlay ストアの規約に違反すると判断され、Googleは2020年8月13日に人気ゲーム「Fortnite」をGoogle Play ストアから削除しました。同じ日にAppleもApp StoreからFortniteを削除したことで、両社とEpic Gamesの対立が本格化しました。
その後、米国の連邦陪審は、GoogleがAndroidにおけるアプリ配信とアプリ内課金について違法な独占状態を形成していたと判断しています。今回のサードパーティーアプリストア対応も、この判断を受けたものです。
一方、AppleについてはEpic Gamesとの訴訟でGoogleとは異なる判断が下されており、今回Googleに課されたものと同じ裁判所命令の対象にはなっていません。
AptoideのアプリもGoogleが毎日チェック
サードパーティーのアプリストアがGoogle Play ストアから利用できるようになったとはいえ、GoogleがAndroidのセキュリティー管理から手を引くわけではありません。
Googleは、Aptoide GamesなどのサードパーティーアプリストアについてもPlay ストアのポリシーを適用するとしています。ただし、こうしたストア内にあるすべてのアプリをGoogleが個別に審査するわけではなく、決済やアプリのアップデートもGoogleが直接扱うわけではありません。
その一方で、GoogleはAndroid端末を毎日スキャンしており、Aptoide Gamesなどからインストールしたアプリを含め、端末にインストールされているすべてのアプリをチェックするとしています。
今回の変更によって、米国のAndroidユーザーはGoogle Play ストア以外のアプリストアをより簡単に利用できるようになりました。すぐにSteamのような大規模な競合ストアが登場するという話ではありませんが、Googleが長年管理してきたAndroidのアプリ配信環境に、初めて明確な変化が生まれたといえそうです。
