
Qualcommが、スマートフォン向けの新たなAI処理基盤として「独立型NPU」の開発を進めていることが明らかになりました。専用メモリと組み合わせることで、端末内AI処理の強化を狙う動きです。
中国メーカー向けに特化したAIチップ
今回の取り組みは、GigaDeviceとの協業によるもので、中国メーカー向けに最適化された専用NPUの開発が中心とされています。
このチップは従来のSoC統合型とは異なり、独立したAI処理ユニットとして動作し、クラウドに依存せず端末内でAI処理を完結させることを目的としています。
3D DRAMとの組み合わせで高速処理を実現
特徴的なのは、CXMT製の3D DRAMを組み合わせる点です。約4GBの専用メモリを積層構造で搭載し、従来のLPDDR系メモリよりも高速なデータ転送を実現します。
このメモリはTSVやハイブリッドボンディングといった先進的な技術を用いて構成されており、AI処理に必要な大量データのやり取りを効率化。画像処理や音声認識、生成AIなどリアルタイム性が求められる処理に適しています。
約40TOPSの性能もコストが課題に
AI処理性能は約40TOPSとされており、スマートフォン向けとしては高水準です。ただし、専用メモリのコスト上昇が影響し、この構成は高価格帯モデルに限定される見通しです。
具体的には、一定以上の価格帯のプレミアムスマートフォンでの採用が想定されており、普及には時間がかかる可能性があります。
市場投入は2026年後半以降か
出荷時期は2026年後半から2027年初頭と見られており、今後のAIスマートフォンの方向性を占う技術として注目されています。
ただし、現時点では端末内AIの活用シーンや収益化モデルがまだ発展途上であることもあり、技術的な優位性だけでは普及が進まない可能性も指摘されています。
AIスマホ時代に向けた過渡期の動き
今回の取り組みは、スマートフォンのAI処理をクラウド依存から脱却させる重要な一歩といえますが、同時に市場全体がまだ成熟段階にあることも浮き彫りにしています。
ハードウェアの進化に加え、それを活かすアプリケーションやサービスの充実が今後の鍵となりそうです。

