PC市場に厳しい見通し IDCが出荷予測を大幅下方修正 メモリ不足で価格上昇へ

PC市場の先行きに厳しい見方が広がっています。調査会社IDCが公開した最新レポートによると、メモリ不足やサプライチェーンの混乱などの影響により、2026年の世界PC出荷台数は大幅に減少する見通しです。

同レポートでは、業界を取り巻く環境について非常に厳しい表現が用いられており、複数の要因が重なることで企業の意思決定や事業継続そのものが困難になる可能性もあると指摘されています。

PC出荷は前年比11.3%減の予測

IDCは今回の調査で、2026年の世界PC出荷台数が前年比11.3%減となる可能性があると予測しました。これは2025年11月に公表された前回の見通しよりも大幅な下方修正となっています。

出荷減少の背景には、DRAM不足による供給制約があるとされています。メモリの確保が難しくなっていることから、メーカーは生産計画の見直しや製品投入時期の前倒しなどの対応を迫られている状況です。

さらに、サプライチェーンの混乱に加えて中東情勢の不安定化も、PCメーカーにとって新たなリスク要因になっていると指摘されています。

PC価格は上昇傾向に

こうした状況を受け、PCメーカーは価格引き上げによってコスト上昇に対応しようとしています。レポートでは、消費者向けPCの平均販売価格が急速に上昇していると指摘されています。

その結果、PC市場全体の売上規模はわずかながら拡大し、2026年には約2740億ドル規模になる見込みです。ただしこれは出荷台数の増加ではなく、主に製品価格の上昇によるものとされています。

IDCは、これまで比較的手頃な価格で購入できたPCの時代は徐々に終わりつつあり、メーカーやサプライチェーン企業は部品コストの上昇に合わせて価格調整を続けざるを得ない状況になると分析しています。

メモリ不足は2027年頃まで続く可能性

レポートでは、DRAM不足の問題は短期間では解消されない可能性が高いとされています。IDCの見通しでは、メモリ供給の逼迫は少なくとも2027年頃まで続く可能性があります。

2028年以降には価格の緩和が見込まれるものの、2025年以前の水準まで戻る可能性は低く、今後はより高い平均価格が新たな標準になるとの見方が示されています。

背景には、企業向け分野でのメモリ需要の拡大があります。AI関連のインフラやデータセンター向け需要が急速に増加しているため、メモリの需要は今後も高水準で推移する可能性が高いとされています。

PCメーカーは企業向け市場にシフト

こうした厳しい環境の中で、PCメーカーはさまざまな対策を模索しています。例えば、製品仕様の見直しによってコストを抑える取り組みや、部品調達先の多様化などが進められています。

一方で、多くのメーカーが個人向け市場だけでなく企業向け市場に重点を移し始めているとも指摘されています。企業向け需要を取り込むことで、消費者向けPC市場の縮小による収益減を補う狙いです。

PC業界が安定した成長軌道に戻るにはまだ時間がかかる可能性が高く、少なくとも当面は価格上昇と需要減少が続く厳しい状況が続きそうです。

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