
サムスンが、スマートフォン向けとしては異例とも言える2万mAhクラスの大容量バッテリーをテストしているとの情報が浮上しています。現時点では研究・検証段階とされていますが、実用化されればスマートフォンのバッテリー体験を大きく変える可能性を秘めています。
サムスンSDIが実験中とされるデュアルセル構成
今回の情報によると、テストを行っているのはサムスンの電池部門であるSamsung SDIです。噂されているバッテリーは、シリコンカーボン電池を2層構造で積み重ねたデュアルセル方式で、合計容量は20,000mAhに達するとされています。
内訳としては、メインとなるセルが12,000mAh、サブセルが8,000mAhという構成とされており、現在のスマートフォン用バッテリーとしては桁違いの容量です。
シリコンカーボン電池とは何か
シリコンカーボン電池は、従来のリチウムイオン電池とは異なり、負極に黒鉛ではなくシリコンとカーボンの複合素材を使用しています。この素材は構造的な破損に強く、より多くのリチウムイオンを保持できるのが特徴です。
理論上は、同じサイズでも従来よりはるかに大容量化が可能とされており、サイズを大きく変えずにバッテリー容量を増やせる点が注目されています。他のAndroidメーカーではすでにこの技術を採用する動きが見られています。
すでに1万mAh級スマホも登場、次は2万mAhか
高容量バッテリー自体は目新しいものではなく、最近では1万mAhバッテリーを搭載したスマートフォンも登場しています。しかし、2万mAhとなると話は別で、実現すれば数日間充電不要といった、かつてのフィーチャーフォンを思わせる使用感も期待できそうです。
一方で、サムスンはこれまでバッテリー技術に対して比較的慎重な姿勢を取ってきました。超薄型モデルとされるGalaxy S25 Edgeでも、従来型のリチウムイオン電池が採用されており、新技術のスマートフォン投入には慎重な印象があります。
安全面の課題は依然として大きい
もっとも、この2万mAhバッテリーはまだ実験段階にあります。テスト中には、8,000mAhのサブセルが約80%膨張する現象も確認されたとされており、安全面での課題は少なくありません。
過去にバッテリー関連のトラブルを経験しているサムスンとしては、慎重にならざるを得ない部分でしょう。実用化には、さらなる改良と長期的な検証が不可欠とみられます。
EV向け開発の流れがスマホにも波及する可能性
なお、サムスンSDIは先日、KGMと提携し、電気自動車向けのシリコンカーボン電池の開発を進めることを発表しています。当初はスマートフォン向けではない点が残念に思われていましたが、今回の噂が事実であれば、その技術が将来的にモバイル分野へ展開される可能性も見えてきます。
実用化は早くても数年先か
現時点では、2万mAhバッテリーを搭載したスマートフォンがいつ登場するのかは不透明です。テスト結果次第では開発が見送られる可能性もありますが、順調に進めば今後数年から10年以内に、スマートフォンのバッテリー常識が大きく変わる日が来るかもしれません。


