
Googleが、Epic Gamesとの長期に渡る訴訟を終わらせるための改善案を裁判所へ提出したことがわかりました。今回の提案には、Playストアの手数料体系の見直しや、サードパーティ製アプリストアの導入をより簡単にする変更が含まれています。
■ サードパーティ製ストアがインストールしやすい方向へ
提出された文書によると、今後はユーザーが他社のアプリストアをより手軽にダウンロード・導入できるように仕様が変更されます。たとえば、Android 17世代からは、Webサイト上にあるストアのインストール画面を1回タップするだけで導入できる見込みです。さらに、それぞれのストアがアプリを直接インストールできる権限も自動で付与されるようになります。
この仕様は2032年6月30日まで継続されるとされており、Googleは“Playストア以外の選択肢”を明確に認める姿勢を示しています。
■ Playストアの手数料も変更へ
もう一つの大きなポイントは、Playストアの手数料体系が大きく変わる点です。主な内容は以下の通りです。
- Playストア経由のアプリが、独自の支払い方法を利用する場合
→「サービス手数料」を 9% または 20% に設定
※9%は一般的な購入、20%は「ゲーム内で有利になるアイテム」などに適用 - Google Play Billingを使う場合
→ 手数料は 5% に引き下げ(現状は年間売上100万ドルまで15%、それ以上は30%) - アプリ内に「Google以外の支払い手段」を並列表示可能に
これにより、従来よりも開発者が自由な料金導線を用意できるようになります。
■ Epic CEOも歓迎姿勢
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、この案を「包括的で優れた提案」と評価。特に、競合ストアを排除しない方針が、Appleの閉じたモデルとは対照的だとコメントしています。
■ 受理されれば長期争訟は終結へ
もし裁判所がこの提案を受け入れれば、2020年から続いた一連の係争は終止符を打つことになります。すでにGoogleはPlayストアの独占契約を禁じられ、デベロッパーがユーザーに外部価格を案内できるようになるなど、いくつかの変更は実施済みです。
今回の案は、その締めくくりと言える大きな一歩となりそうです。

