Pixel 10 Pro XLのGPUドライバアップデート、ゲーム性能それくらい向上?

GoogleがPixel 10シリーズ向けに提供を始めたAndroid 16 QPR3 Beta 1では、GPUドライバの更新が大きな注目点となっています。今回、その実力をAndroid Authorityによる実機テスト結果をもとに整理すると、ゲーム用途では確かな改善が見られる一方、すべての用途で劇的な変化が起きたわけではないことが分かってきました。

Android 16 QPR3で何が変わったのか

今回のアップデートにより、Pixel 10シリーズはImagination製GPUの新ドライバに更新され、Vulkan 1.4への対応などが追加されました。Pixel 10 Pro XLはこれまで、価格帯を考えるとゲーム性能が最先端とは言えず、特にエミュレーションでは前世代のPixel 9 Pro XLに劣る場面も指摘されていました。そうした背景から、このドライバ更新には期待が集まっていました。

実ゲームでのパフォーマンス検証

Android Authorityは、原神を最高設定60fps、Asphalt LegendsやCOD Mobileのバトルロイヤルモードといった代表的なタイトルで検証を実施しています。その結果、Asphalt Legendsでは平均フレームレートが約8%、原神では約18%向上し、カクつきが減るなど体感的にも滑らかさが増しました。一方、COD Mobileはもともと上限に近いフレームレートで動作していたこともあり、改善幅は2〜3%程度にとどまっています。

エミュレーターでは明暗が分かれる結果に

続いて行われたエミュレーター検証では、OpenGLとVulkanの差がより明確になりました。OpenGL環境では、Mario Kart WiiやNeed for Speed Most Wantedで6〜10%前後の性能向上が確認され、F-Zero GXでは例外的に約27%という大幅な改善が見られました。ただし、これはかなり好条件が重なったケースとされています。

一方、Vulkanでのエミュレーション性能は依然として厳しく、改善は見られるもののフレームレートが低い状況は大きく変わっていません。Pixel 9シリーズが搭載するArm Mali GPUと比べると、この点は弱点として残ったままです。

アップデートとしては確かな価値

Android Authorityのテスト全体を通して見ると、QPR3 Beta 1への更新による性能向上は平均して約9%前後が目安となります。条件が合えば15〜25%程度の伸びを示すケースもありますが、Tensor G5がハイエンドSoCと肩を並べるレベルになるわけではありません。

それでも、既存のPixel 10ユーザーにとっては、追加コストなしでゲーム体験が確実に向上する点は大きなメリットです。一方で、クラシックゲームのエミュレーションを重視するユーザーにとっては、今回のドライバ更新をもってしても最適な選択肢とは言いにくい状況が続いています。今後のさらなる最適化に期待したいところです。

ソース

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