
サムスン電子が2025年7〜9月期(Q3)の業績を発表しました。売上・利益ともに前年比および前期比で大幅に伸びており、特に半導体需要の回復が業績を押し上げた格好です。
売上は約8.84%増、利益は大幅回復
同社のQ3全体の売上高は86.1兆ウォン(約6兆円強)となり、前年同期比8.84%、前四半期比15.41%の増加となりました。
営業利益は12.2兆ウォン(約8,500億円)と、前年比32.6%増、さらに前期比では159%を超える伸びを記録。ここ数四半期で弱含んでいた半導体市場が再び活況を取り戻し、業績回復を大きく後押しした形です。
半導体事業が牽引、HBM3Eが過去最高の売上に
業績を最も押し上げたのは、デバイスソリューション(DS)部門、つまり半導体事業です。
同部門の売上は33.1兆ウォンで前年比13%増、前期比19%増。営業利益は7兆ウォンと、前年比約79%増、前期比では驚異の1650%増という数字を叩き出しました。
特に好調だったのは、AI向け需要が急増している高帯域メモリ「HBM3E」。
メモリ事業は四半期として過去最高の売上を記録し、サーバー向けSSDも堅調に拡大。HBM3Eはすでに量産中で、あらゆる関連顧客に出荷済みとしています。さらに次世代製品となるHBM4はサンプル出荷を開始しており、事業の勢いは続きそうです。
今後の展望:HBM4量産へ、AI向けメモリ拡大も
サムスンはQ4以降もAI・サーバー向け需要に積極対応する方針で、128GB超のサーバー向けDDR5やGDDR7といった高付加価値メモリの供給を強化します。
2026年にはHBM4の本格量産に踏み切り、販売網拡大や生産キャパシティ増強を予定。併せてLPDDR5XやQLC SSDなど、AI関連製品への注力も続けるとしています。
スマホ事業も堅調 Z Fold7が好調な滑り出し
モバイル部門(MXおよびネットワーク事業)も前年・前期ともに増収増益となりました。
売上高は34.1兆ウォンで前年比11.8%増、営業利益は3.6兆ウォンで前年比28.5%増。
主力スマートフォンが引き続き好調で、最新の折りたたみモデル「Galaxy Z Fold7」が売上を押し上げました。タブレットやウェアラブルも増収に貢献したとしています。
2026年は「AIスマホ」で攻める
年末にかけては、Galaxy S25シリーズや折りたたみモデルのホリデーシーズン商戦が控えており、同社はAIスマホを中心にさらに販売を伸ばす構えです。
2026年の重点戦略としては、AI機能を軸にした新たなフォームファクター開発、スマホ販売数の拡大、そして生産効率の改善によるコスト抑制を掲げています。


