Nothing、サードパーティ製アプリ導入の理由を説明 ――「Lock Glimpse」機能をめぐり賛否

独自のミニマルデザインと“クリーンOS”で人気を集めてきたNothingが、今後一部モデルにサードパーティ製アプリを導入する方針を明らかにしました。これにより同社が掲げてきた「シンプルな体験」が揺らぐのではないかとして、ユーザーの間で議論が広がっています。


一部モデルにパートナーアプリを導入へ

Nothingの共同創業者アキス・エヴァンゲリディス氏は、公式ブログで「フラッグシップ以外の一部デバイスに、慎重に選定したサードパーティのアプリやサービスを搭載する」と発表しました。

氏によると、これらのアプリは「多くの人が購入直後にインストールするようなもの(例:Instagram)」を想定しており、「Nothing OSの体験を損なうことはなく、むしろ機能やパフォーマンスを向上させる可能性もある」としています。

同時に、これらのアプリは簡単に削除できるよう設計されるとのことで、ユーザーが望まない場合は手軽にアンインストールできるようにする方針です。


新機能「Lock Glimpse」をめぐる波紋

今回の発表のきっかけとなったのが、Android 16ベースの「Nothing OS 4.0」ベータ版で新たに追加されたLock Glimpseという機能です。

この機能はロック画面にニュースや画像を表示できるもので、初期状態ではオフになっています。ユーザーは設定画面で有効化し、表示するカテゴリや頻度を自由にカスタマイズ可能。今後のアップデートでは、自分の写真を壁紙として設定することもできるようになる予定です。

Nothingは「個人データは一切共有されない」と説明していますが、コミュニティでは「広告的な要素を持つ」として批判的な声も上がっています。


コスト構造が背景に――「持続可能な収益モデル」を模索

エヴァンゲリディス氏は、こうした取り組みの背景には製造コスト(BOM:Bill of Materials)の高騰があると述べています。

Nothingはまだ規模の小さい企業であり、大手メーカーに比べて部品調達コストが高く、またソフトウェア関連の収益源を持たないため、価格転嫁を避けつつ事業を維持する新たな方法を模索していると説明しています。

同社はこの施策を「コストをユーザーに転嫁しないための持続可能な収益モデルの一環」と位置づけています。


ユーザーからは懸念の声も

ブログ公開後、コミュニティでは「Nothingを選んだのはクリーンOSだから」「サードパーティ製アプリが入るなら次は買わない」といった声も見られます。特に、これまで“広告や不要なアプリのないスマートフォン”として評価されてきたNothingにとって、今回の方針転換はブランドイメージに影響を与える可能性があります。


今後のNothing OSの方向性

Nothingは「今後もOS全体の設計を見直し、最適な形で統合していく」としており、ユーザー体験を重視する姿勢を強調しています。また、Lock Glimpseの利用可否を完全にユーザーが制御できるようにし、不要なアプリは簡単に削除できる状態を維持するとのことです。

今後、Nothingがどのように“シンプルで洗練されたOS体験”と“持続的な収益モデル”を両立させていくのか、注目が集まります。

ソース

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Nothing/CMF Phone
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