
“見た目は似ていても中身は大きく進化”
Googleが最新の折りたたみスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」を正式に発売しました。同社によれば、このモデルは外観こそ従来機に近いものの、内部構造は大幅に刷新されており、「Pixel Fold」から「Pixel 9 Pro Fold」以上の飛躍を遂げたと強調しています。開発チームは、単なるスペック更新に留まる“安全策”ではなく、設計から見直す“攻めの選択”を取ったといいます。
新設計「ギアレスヒンジ」で耐久性と防水性を両立
Pixel 10 Pro Foldの最大の特徴は、新たに採用されたギアレスヒンジ構造です。従来のヒンジは内部に歯車を持つため、長期間の使用でホコリや砂による摩耗が避けられませんでした。ギアを排除することで可動部の隙間を減らし、耐久性を大幅に向上させると同時に、ついにIP68等級の防水・防塵性能を実現しました。
ヒンジ内部では、歯車の代わりにCAM(カム)構造と呼ばれる機械的仕組みが採用され、回転運動を直線運動に変換することで、これまでと同様の滑らかな開閉動作を維持しています。その結果、開閉時の動きがよりスムーズになり、折りたたみ時の厚みも0.8mm薄型化されています。
ベゼル縮小で外側ディスプレイ拡大、バッテリーも強化
ギアをなくしたことで内部の設計自由度が高まり、外側ディスプレイは6.3インチから6.4インチへわずかに拡大。ベゼルの薄型化により、より自然な比率のフロント画面を実現しました。また、内部のスペース効率向上により、バッテリー容量も4650mAhから5015mAhへ増加しています。
デザイン面では、Googleがこれまでの“プロPixel”シリーズで一貫して重視してきた高級感のある光沢仕上げを継承。ヒンジ部分はあえてマットではなく、ポリッシュ加工を施すことで、視覚的にも存在感を際立たせています。フレームエッジにはダイヤモンドカットのメタリック処理が施され、細部にまでプレミアム感が宿ります。
技術革新が生んだ“完成度の高い折りたたみ機”
Pixel 10 Pro Foldは、一見すると従来モデルの延長線上に見えるものの、その内部にはGoogleの大胆な再設計が詰め込まれています。ギアレスヒンジによる信頼性の向上、防水対応、さらなる薄型化──これらの改良は折りたたみスマートフォンの成熟を象徴する一歩といえるでしょう。デザインとエンジニアリングの両面で磨き上げられた本機は、Pixelシリーズの新たな基準を示すモデルとなりそうです。