
クアルコムはハワイ・マウイで開催されたSnapdragonサミットにて、最新フラッグシップ向けチップ「Snapdragon 8 Gen 5」を正式に披露しました。同時に上位モデル「Snapdragon 8 Elite Gen 5」も発表されていますが、今回の注目ポイントはむしろ標準版のSnapdragon 8 Gen 5がどのように差別化されているかにあります。
CPU構成の違い
Snapdragon 8 Gen 5は、最新の3nmプロセスを採用し、クアルコム独自のOryon CPUを搭載しています。構成は1+7のオクタコアで、最大3.8GHzで動作するプライムコア1基と、最大3.32GHzのパフォーマンスコア7基を組み合わせています。
対して上位版のElite Gen 5は2+6構成で、プライムコアが2基(最大4.6GHz)、パフォーマンスコアが6基(最大3.62GHz)。CPU設計の違いにより、Eliteはよりピーク性能を重視し、Gen 5は効率性を維持しつつ幅広い端末に適したバランス設計となっています。
GPU・AI機能は共通世代
両モデルとも次世代のAdreno GPUを搭載し、グラフィックス性能を大幅に強化。また、高性能NPUやAI対応のISPを備える点も同じで、AI処理やカメラ機能における性能差は現状大きくないと見られます。
採用端末の広がりに期待
Elite版がハイエンド市場向けである一方、Snapdragon 8 Gen 5はコストと性能のバランスをとった仕様となっており、より多くのスマートフォンメーカーに採用される可能性が高いと予想されます。これにより、比較的手に取りやすい価格帯の端末でも、最新世代のフラッグシップ級体験が可能になるでしょう。
今後の注目点
現時点ではGPUやAI処理性能の詳細は伏せられていますが、年内にはさらなる情報が明らかになる予定です。EliteとGen 5、それぞれがどのような端末に搭載され、どの層のユーザーに支持されるかが今後の焦点となりそうです。