
Qualcommは現地時間9月24日、次世代フラッグシップ向けチップセット「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を発表しました。第3世代のOryonコアを採用し、性能と効率を大幅に強化した最新SoCとなります。
最大4.60GHz駆動のOryonコア
Snapdragon 8 Elite Gen 5は「2+6」のCPU構成を採用し、2つの高性能コアは最大4.60GHz、6つの高効率コアは最大3.62GHzで動作します。前世代比でおよそ20%の性能向上を実現したとQualcommは説明していますが、シングルコアかマルチコアでの数値かは明らかにされていません。さらに電力効率も改善され、消費電力は前世代比で16%削減。CPU全体では35%の効率向上を実現しているとしています。
新GPU「Adreno 840」とゲーミング強化

グラフィック性能を担うのは新しい「Adreno 840 GPU」。18MBの専用キャッシュ「Adreno High Performance Memory」を搭載し、消費電力を最大10%抑えつつ、性能を23%向上させたといいます。最大クロックは1.20GHzに引き上げられ、Unreal Engine 5を標準でサポート。Tencentをはじめとしたゲームメーカーと協力し、タイトルの最適化も進められる予定です。
AI処理能力も進化
AI処理を担うHexagon NPUは、前世代比で37%高速化。追加されたAIアクセラレーターにより、ワット当たり性能は16%改善しました。インターネット接続なしでも高度なAI処理をこなせるよう設計されており、オンデバイスAI体験をさらに高めています。
高速通信と低消費電力を両立
通信面では新しいSnapdragon X85 5Gモデムを統合し、最大12.5Gbpsの下り、3.7Gbpsの上り速度に対応。位置情報の精度向上や電力効率の改善も図られています。また、Wi-Fi 7やBluetooth 6.0、UWBをまとめた「FastConnect 7900」も引き続き搭載され、前世代比で40%の省電力化を実現しています。
次世代Androidフラッグシップの中核に
Snapdragon 8 Elite Gen 5は、今年登場するAndroidフラッグシップスマートフォンの多くに採用される見込みです。Qualcommが「世界最速のモバイルCPU」と自信を示すこの最新SoCが、実際のベンチマークや実機でどのような評価を受けるのか、今後の展開に期待が高まります。