
Qualcommは9月23日に次世代フラッグシップSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を正式発表すると見られています。すでに複数のリーク情報から仕様や性能の詳細が浮かび上がっており、現行のSnapdragon 8 Eliteを大きく上回る性能が期待されています。
複雑化する名称とラインナップ
通常であれば「Gen 2」や「8 Elite 2」といった名称が妥当にも思えますが、Qualcommは「Gen 5」という新しい呼び方を選択しました。背景にはラインナップ全体の整理を意識した可能性があるとみられます。
併せて「Snapdragon 8 Gen 5」や、さらに性能を抑えた「Snapdragon 8s Gen 5」の登場も予想されており、2026年にかけて複数モデル展開が進む見込みです。
製造プロセスとCPU構成
Snapdragon 8 Elite Gen 5は、TSMCの改良型3nmプロセス「N3P」で量産される予定です。昨年の「N3E」と比べて大幅な進化ではありませんが、消費電力あたりの性能で約5%向上、または同じ性能で5〜10%の省電力化が見込まれています。
CPUは前世代同様「2+6」構成ですが、動作クロックが強化されています。Galaxy S26 Edge向けの高クロック版では、パフォーマンスコアが最大4.74GHz、効率コアが3.63GHzに達するとされます。標準版でも4.61GHz/3.63GHzで、従来の4.32GHz/3.53GHzから確実に引き上げられています。
GPUは「Adreno 840」を搭載し、標準クロックは1.20GHzに。前世代Adreno 830の1.10GHzからの着実な進化です。
メモリとAI性能の進化
キャッシュメモリは大幅に増強され、前世代の合計24MBから32MBへと拡張される見込みです。さらにNPUの処理性能は最大100TOPSに到達すると噂されており、これはノートPC向けSnapdragon X Elite(45TOPS)の2倍以上にあたります。スマートフォン向けSoCとしては異例の性能です。
ベンチマークと性能予測
Geekbench 6やAnTuTuのリークスコアも注目を集めています。Galaxy S26 Edgeのテストではクロックを抑えた状態でも、前世代を上回るシングル・マルチコア性能を発揮。さらにAnTuTuでは400万点超えという記録も報告されており、現行のSnapdragon 8 Elite搭載機を大きく引き離す結果となっています。
また、ゲーム性能についても効率性が向上しているとの情報があり、同等の消費電力でより高いフレームレートを実現できるとされています。
発表に向けて
TSMCの最新プロセスと第2世代Oryonコアの採用により、Snapdragon 8 Elite Gen 5は前世代を大きく超える存在になりそうです。正式発表は今月下旬に予定されており、Androidフラッグシップ市場に再び大きなインパクトを与えるのは間違いないでしょう。