Androidアップデートが加速へ──Googleの新方針、成否はメーカー次第

Google が Android のアップデート体制を大きく見直しました。これまで年1回だった「OS メジャー更新」を軸とする仕組みから、より小刻みで頻度の高いアップデートへ移行することで、Android 全体の更新スピードを底上げしようという狙いがあります。しかし、この取り組みが実際にユーザー体験の向上につながるかどうかは、最終的に端末メーカー側の対応にかかっています。

史上最大級のアップデート方針転換

Android は長年、毎年1回のメジャーアップデートと、四半期ごとの小規模な QPR(Quarterly Platform Release)で構成されてきました。
今回 Google が導入したのは、この間に「小規模な SDK アップデート」を挟む新しい仕組みです。

最新の Android 16 QPR2 は、その最初の例であり、機能追加に加えて新しい API も含まれています。開発者に大きな影響を与えず、細かく機能を更新できる点がこれまでとの大きな違いです。

Pixel だけが早い時代の終わり?

Android の課題として長年指摘されてきたのが「他社スマホへのアップデートが遅すぎる」点です。
Google Pixel は毎回すぐに最新機能を受け取れる一方、他社製品は数カ月待ちが当たり前でした。

しかし新しい仕組みでは、たとえば 通知要約(Notification Summary) のような機能を、Android 17 を待たずに QPR で導入可能になります。
OnePlus 15 や Galaxy S25 といった最新端末であれば、数カ月先取りして機能が利用できる可能性が高まります。

また、今後登場する Galaxy S26 のような新モデルも、発売時点で最新の機能を備えた状態で市場に並べられる見込みです。Pixel との差が縮まる可能性が出てきました。

問題は「メーカーが動くかどうか」

とはいえ、Google の改革だけでは状況は変わりません。
実際には、メーカー各社がどれだけ迅速にソフトウェアを適用するかがすべてです。

実例として、Android 16 の配信は Samsung ですら3カ月以上の遅れがあり、Sony や Motorola、OnePlus などもそれ以上の遅延が発生しました。
さらに、エントリー機種や古い端末に至っては、いまだに Android 16 が届いていないケースも珍しくありません。

Apple が iOS を「対応機種すべてに同時配信」するのとは対照的で、この差は年々広がっているのが実情です。

変わるための“最後のチャンス”か

Google の新しい更新サイクルは、メーカーが「更新が遅い言い訳」をしにくい環境をつくりつつあります。
それでも状況が改善しないのなら、ユーザーが Pixel や iPhone へ移る流れが強まり、結果的にメーカー側を動かす大きな圧力になるかもしれません。

現状を見る限り、Android 端末のアップデート問題は依然として深刻です。今回の取り組みが業界全体の改善につながるのか、それとも形だけで終わってしまうのか——2025年はAndroidの未来を占う節目の年になりそうです。

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