
MediaTekの次期フラッグシップチップ「Dimensity 9500」が今月中にも正式発表される見通しです。リーカーとして知られるDigital Chat Station氏が主要スペックを公開し、その性能に大きな注目が集まっています。
最新3nmプロセス採用、すべて大型コアで構成
Dimensity 9500はTSMCの先進的な3nm(N3P)プロセスで製造され、CPUは「オールビッグコア」構成を採用しています。具体的には、最大4.21GHzで動作するCortex-X930コアを1基、3.5GHz駆動のCortex-X930を3基、さらに2.7GHz駆動のCortex-A730を4基搭載。従来モデル以上のパフォーマンスを狙った設計となっています。

新アーキテクチャGPUでレイトレーシング強化
GPUにはMali-G1 Ultra MC12を採用し、新しいマイクロアーキテクチャによってレイトレーシング性能を改善。消費電力の低減も図られており、ゲームや高負荷処理における効率が期待されます。
キャッシュ、NPU、メモリ周りも大幅進化
CPU/GPUだけでなく、周辺仕様も強化されています。16MBのL3キャッシュと10MBのシステムレベルキャッシュを備え、最新のSME命令セットに対応。さらに次世代NPU「NPU 9.0」は約100TOPSの処理能力を持ち、AI分野での活用も大きく広がりそうです。
メモリは最大10,667MbpsのLPDDR5X、ストレージは4レーン構成のUFS 4.1に対応し、データ処理のボトルネックを大幅に削減します。
VivoとOppoがいち早く採用へ
イメージング関連では、Vivo独自の「V3+ ISP」との互換性も示唆されており、カメラ性能に強みを持つVivo端末に特化した最適化が施される可能性があります。
Dimensity 9500は9月22日に正式発表される見込みで、Qualcommの次世代Snapdragonより一足早い登場となりそうです。最初に搭載するのはVivoの「X300」シリーズで、その後10月にOppoの「Find X9」シリーズへと展開されると報じられています。
Snapdragonに先駆けた「先行勝負」
これまでSnapdragon一強のイメージが強かったハイエンド市場において、Dimensity 9500はMediaTekが存在感を示す試金石になりそうです。特にAI処理能力や効率面での進化は、今後のスマートフォンの使い勝手を大きく変える可能性を秘めています。