
Googleの新型プロセッサ「Tensor G5」を搭載したPixel 10シリーズのベンチマーク結果が公開されました。しかし、性能面では依然としてAppleやQualcommの最新チップに後れを取っていることが明らかになっています。
799ドルからの最新Pixel、性能では苦戦
Pixel 10とPixel 10 Pro XLは、いずれもTensor G5を搭載。Googleは従来からスペック競争よりもAI機能や独自のユーザー体験に注力しており、今回も“処理性能で覇権を狙う”という方向性ではないことが数値からも裏付けられました。

CPU性能を示すGeekBench 6やPCMark Work 3.0の結果では、Pixel 10はSnapdragon 8s Gen 4搭載のNothing Phone 3とほぼ互角。シングルコアではやや優勢ながら、マルチコア性能ではやや劣る結果となりました。iPhone 16やSnapdragon 8 Elite搭載機と比べると、差は大きいままです。
グラフィック性能も伸び悩み

GPU性能を測る3DMark Wild Life Extreme Stress Testでも、Tensor G5は持続的なパフォーマンス維持に課題を残しました。ピーク時には一時的にAppleのGPUに迫るものの、長時間テストでは急速にスコアが低下し、安定性は昨年モデルより悪化。Nothing Phone 3のGPUにも及ばず、長時間の高負荷ゲームには不向きな印象です。
Pro XLも大差なし

上位モデルのPixel 10 Pro XLも事情は変わりません。クロックスピードを高めた設計にもかかわらず、AppleやQualcommの最新チップに30%前後の差をつけられています。熱処理面ではGalaxy S25 Ultraより安定しているものの、そもそもの性能が低いため、結果として依然劣勢です。

「性能」ではなく「体験」で勝負
今回の結果はPixelファンにはおなじみのものかもしれません。ハードウェア性能でライバルを圧倒することはなくとも、Google独自のAI機能やカメラ性能によって全体の魅力を高めるという戦略が続いています。
特にベースモデルのPixel 10は、同価格帯のGalaxy S24 FEやNothing Phone 3と並ぶ選択肢となり得ます。ベンチマークでは見劣りしても、日常利用には十分な性能を持ち、さらにAI機能や新たに搭載された5倍望遠カメラといった付加価値が購入の決め手となる可能性が高いでしょう。