Pixel 10で「バッテリーシェア」が消滅 Qi2対応の代償とは

Googleが発表した「Pixel 10」シリーズは、新たにQi2規格のワイヤレス充電に対応しました。MagSafeのようにマグネットで位置を固定できる仕組みを取り入れたことで、より安定したワイヤレス充電体験を提供します。しかし、その裏でひっそりと姿を消した機能があります。


消えた「バッテリーシェア」

Pixelシリーズに搭載されていた「バッテリーシェア(逆ワイヤレス充電)」は、Pixel 10では完全に削除されました。

この機能はPixel 5から採用されていたもので、スマートフォンをワイヤレス充電器代わりにして、他のスマホやイヤホン、スマートウォッチなどを充電できる便利な仕組みでした。Pixel 9までは公式スペック表にも掲載されていましたが、Pixel 10の仕様一覧からは姿を消しています。

実はPixel 9の時点で、ACアダプターに接続した際に自動的にオンになる挙動が取り除かれており、今回で機能そのものが廃止された形になります。


Qi2マグネットが原因?

Googleによれば、バッテリーシェア削除の理由は「Qi2対応のため」とのことです。Qi2はマグネットを用いて充電パッドとスマホの位置を正確に固定できるのが特徴ですが、この磁石の配置が逆充電の仕組みと物理的に両立しにくいようです。

なお、AppleのiPhoneもMagSafeを搭載していますが、同様に逆ワイヤレス充電には非対応です。Googleの決断は、ある意味で自然な流れとも言えるでしょう。


他社の動きと今後の可能性

現在、Qi2に対応するAndroidスマートフォンはPixel 10のほか、HMD Globalの「Skyline」などごく一部です。ただしHMDが採用しているのは旧規格のQi 2.0.0で、最大5Wの逆充電をサポートしています。一方、Pixel 10が対応するQi 2.1.1はより新しい仕様であり、この違いが逆充電非対応の背景にある可能性も考えられます。

Googleは「将来的にユーザー体験を高める新しい取り組みを模索している」とコメントしており、今後のアップデートや次世代Pixelでバッテリーシェアが復活する余地は残されているようです。また、Appleも将来的なiPhoneで逆ワイヤレス充電を検討していると噂されており、業界全体の流れを見守る必要があります。

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