
4nmプロセス採用で性能を底上げ
Qualcommは8月19日、新しいモバイル向けチップセット「Snapdragon 7s Gen 4」を発表しました。同社のミドルレンジ向けラインを担うこのSoCは、前世代の「Snapdragon 7s Gen 3」を継承しつつ、CPUクロックの強化やディスプレイ性能の向上など、着実な進化を遂げています。
最大2.7GHzのCPUを搭載し、従来の2.5GHzからスペックアップ。加えて、2,900×1,300ピクセルのWFHD+解像度と最大144Hzのリフレッシュレートに対応するなど、ミドルレンジながらゲーミングや高精細表示にも配慮した仕様となっています。
フラッグシップ級のカメラ機能も

Snapdragon 7s Gen 4は、最大200MPの写真撮影をサポート。さらに従来はハイエンドモデルに限られていた「Low Light Vision」機能が初めて搭載され、暗所での撮影体験が強化されています。
また、急速充電規格「Quick Charge 4+」にも対応。0%から50%までをわずか5分で充電できるとされており、日常の利便性向上に大きく貢献するでしょう。
AI機能と新しい可能性
今回のチップはAI処理能力も引き続き強化されており、リアルタイム翻訳や多言語での文字起こしにも対応します。エンタメからビジネス用途まで幅広く活躍が期待できる性能です。
一方で、GPUやCPUの全体的な性能向上はおよそ7%にとどまり、「大幅アップグレード」というよりは安定性と機能面を磨いた改良版といえます。
採用メーカーは未発表
現時点でSnapdragon 7s Gen 4を採用するスマートフォンメーカーは明らかになっていません。ただし、過去の事例から中国系ブランド──たとえばVivoやHONORなど──がいち早く採用する可能性が高いとみられます。
また、QualcommはSnapdragon 8 Gen 3のクロックを抑えたバリエーションモデルも開発中と噂されており、今後のラインアップ拡充にも注目が集まります。
ミドルレンジ市場を狙う一手
Snapdragon 7s Gen 4は、劇的な進化こそないものの、ユーザー体験に直結するカメラ性能や充電速度、ディスプレイ性能を着実に底上げしたチップといえます。今後どの端末に搭載され、どのような形で市場に投入されるのか、発表を待ちたいところです。