
最大50万回の開閉に対応、ただし「常温なら」
Samsungの最新折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold 7」は、洗練されたデザインと高性能スペックで注目を集めていますが、今回とくに話題となっているのはその耐久性です。折りたたみ式ディスプレイの進化により、通常使用における寿命が大幅に延びたとされる本機。しかしその実力は、「どこで使うか」によって変わるようです。
Samsung Displayによると、Z Fold 7に搭載されている有機ELパネルは、室温環境下(おおよそ25℃前後)であれば50万回の開閉に耐えるとされています。これは前年モデルのZ Fold 6の2.5倍にあたり、1日あたり200回開閉するヘビーユーザーでも約6年間にわたり安心して使える計算になります。
高温・低温環境では耐久性が低下
ところが、極端な温度環境では話が変わってきます。
Samsung Displayが公表した新たなデータによると、高温環境(60℃)では開閉耐久回数が30万回に低下。それでもZ Fold 5(15万回)よりは倍増しており、進化の跡は見られますが、常温での耐久性と比べると大きく下がっているのが現実です。
さらに氷点下の環境(-20℃)では、耐久回数はわずか6万回まで落ち込みます。こちらも前モデルの3万回から倍増してはいるものの、仮に1日40回の開閉を行った場合、およそ4年程度の使用で限界が来る計算です。
安全な使用温度は0〜35℃
このような事情から、SamsungではZ Fold 7の適正使用温度として0℃〜35℃の範囲を推奨しています。この温度帯であれば、パネルの性能を最大限に引き出し、長期的に安定した使用が期待できるとのことです。
確かな進化、ただし環境には注意
Z Fold 7は、確かに前世代機と比較して大きな耐久性の向上を遂げています。特に温暖な地域や室内での使用がメインとなるユーザーにとっては、50万回という数字はまさに「長年使える安心感」を意味します。
ただし、極端な温度環境ではその限界が早く訪れる可能性があるため、アウトドアでの使用や寒冷・高温地域に住んでいるユーザーは注意が必要です。とはいえ、ここまで幅広い温度帯での改良が加えられている点は、折りたたみスマートフォンの信頼性向上に向けた大きな一歩といえるでしょう。