
サムスンは最新のフラッグシップ向けチップセット**「Exynos 2500」**を正式に発表しました。同社が“なかったこと”にしたいとされる難産だった3nm GAAプロセスを採用しつつ、10コアCPUクラスターや大幅強化したNPU、最新のFOWLP(Fan-Out Wafer-Level Packaging)など、盛りだくさんの新機能を搭載しています。今秋発表予定のGalaxy Z Flip 7への搭載が有力視されています。
10コアCPUの構成とパフォーマンス
Exynos 2500は以下のCPUクラスターを備えます:
- Cortex-X925(通称Cortex-X5相当)×1基:3.30GHz
- Cortex-A725×2基:2.74GHz
- Cortex-A725×5基:2.36GHz
- Cortex-A520×2基:1.80GHz
Geekbench 6のリークスコアでは、シングル/マルチともにDimensity 9400やSnapdragon 8 Elite、Apple A18には及ばない結果でしたが、サムスン公式は「大コア性能が15%向上」とアピール。今後、Galaxy Z Flip 7でのベンチマークに注目が集まります。
Xclipse 950 GPUとRDNA3ベースのレイトレーシング対応
GPUにはXclipse 950を採用。AMDのRDNA3アーキテクチャを活用したハードウェアレイトレーシングにも対応し、コンソール級の複雑なグラフィックス表現をモバイル向けに最適化しています。
NPUは59TOPSへ大幅強化
AI処理を担うNPUは59TOPS(Exynos 2400比+39%)へと強化。最新の機械学習モデルやリアルタイム映像処理を大幅に高速化し、カメラや音声制御など多彩なAI機能を支えます。
先進のFOWLPで薄型・高効率を両立
半導体パッケージは最新のFOWLPを採用。チップ厚を抑えつつ、発熱放散性と電力効率を向上させています。サムスンは「消費電力を大幅に削減しつつ、厚みを75%薄くできた」としています。
メモリ・ストレージ・ISP・通信仕様
- メモリ:LPDDR5X対応
- ストレージ:UFS 4.0対応
- ISP:最大320MPカメラ対応、8K/30fps動画撮影
- ワイヤレス:Bluetooth 5.4、Wi-Fi 7
- 5Gモデム:FR1下り最大9.6Gbps、FR2下り最大12.1Gbps
Exynos 2500は現在「量産済み」とされていますが、3nm GAAゆえの歩留まり課題から出荷量は限定的との見方もあります。サムスンは直近のGalaxy Unpackedイベント(来月開催予定)でZ Flip 7と合わせて詳細を公開するとみられ、今後の展開から目が離せません。