Xiaomiの最新フラッグシップ「15S Pro」が、同社初の自社開発SoC「XRing O1」を搭載したことで話題を呼んでいます。しかし、内部を覗くと自社部品だけでなく、広範なサプライヤーネットワークが支えていることが明らかになりました。
自社製シリコンが3種類も

15S Proの目玉といえば、何と言ってもXRing O1ですが、実は以下の自社チップも同梱されています。
- XP2210C:Xiaomi製の電源管理IC
- Surge P3:同じく自社開発の有線高速充電コントローラ
SoCに留まらず、電力周りや充電制御にも自社技術を投入している点が興味深いポイントです。
メモリ&ストレージはSK Hynix&Micron製
Xiaomi 15S Proのパフォーマンスを支えるメモリとストレージは、いずれも外部サプライヤー製です。
- LPDDR5Tメモリ:SK Hynix製。パッケージオンパッケージ(PoP)構造によって省スペース化を実現
- UFS 4.1ストレージ:Micron製で高速な読み書きを実現
自社チップと組み合わせることで、ハイエンド機らしい動作を支えています。
通信系はMediaTekとNXPの強力タッグ
コネクティビティ周りも多彩なメーカーが参画しています。
- モデム&無線チップ:MediaTek製T800(MT6980W)モデム、MT6639BEW(Wi-Fi/Bluetooth)、MT6195W(RFトランシーバ)
- NFC/UWB:オランダ系米国企業NXPが担当
- 音声オーディオ:Cirrus Logic製のオーディオDAC/アンプを搭載
特に、MediaTekとの協業はXiaomiが長年続けてきたパートナーシップの証と言えるでしょう。
その他の協力企業
さらに、以下の企業も15S Proの製造に関わっています。
- Southchip Semiconductor:二次電池の充電制御
- NuVolta:ワイヤレス充電IC
- Vanchip:RFモジュール
- STMicroelectronics:各種センサー類
XiaomiがSoCや電源ICなどの要所を自社開発する一方、メモリや無線系、センサーなどは外部パートナーに依存することで、コストと性能のバランスを取っている構造が垣間見えます。自社技術の強化と、世界的なサプライヤーネットワークの両輪によって、15S Proは“自社開発の味付け”を加えながらも、安定したハイエンド性能を実現していると言えるでしょう。