
Googleは、Androidの次期メジャーアップデート「Android 16」の正式版を2025年6月にリリースすることを明らかにしました。これは昨年11月にAndroid Headlinesが独占的に報じた「6月3日リリース予定」という情報を裏付ける形となっています。
新UI「Material 3 Expressive」は6月リリースには非対応
今回のリリースで注目されていたのが、Googleが開発中の新デザイン言語「Material 3 Expressive」の動向です。しかし、同UIが6月の正式版には含まれないことも同時に判明しました。
というのも、現在のAndroid 16ベータ版にはこの新デザイン要素が一切見られず、すでに開発がほぼ完了していることを踏まえると、現時点での対応は難しいと見られていました。Googleは今後、「Material 3 Expressive」をQPR1(クォータリー・プラットフォーム・リリース1)として、来月以降に開始されるベータ版で段階的に導入していく方針です。
Pixelシリーズが最初にアップデート対象に
なお、6月からの正式リリースはあくまでPixelシリーズ向けのものであり、SamsungやXiaomiなどの他のメーカーはもう少し遅れての対応となる見込みです。各社は自社独自のUIや機能をAndroid 16に統合する必要があるため、展開にはどうしても時間がかかります。
ちなみにSamsungは、ようやく先月からAndroid 15の配信を開始したばかりで、Android 16の適用にはさらに数ヶ月を要することが予想されます。
これまでよりも早いスケジュールにシフト
今回のAndroid 16リリース時期は、これまでの流れからすると異例の早さと言えます。実際、Pixelシリーズのフラッグシップモデルも、昨年から10月ではなく8月発売へと前倒しされており、Android OS自体も開発者プレビューが通常より3〜4ヶ月早く開始されました。
Googleがこのようなスケジュール変更を進めている背景には、夏から秋にかけて登場するスマートフォンに最新のOSを間に合わせる意図があると考えられています。また、Pixelに関してはホリデーシーズンと時期がかぶることで埋もれてしまうのを避けるため、秋口への前倒しが狙いとされています。
現時点ではまだ一部機能が出揃っていないものの、Android 16はすでに最終段階に入りつつあります。UIの刷新は後回しとなるものの、OSとしての安定性や新機能はすでに実装されており、今後リリースされるPixel 9シリーズを含む多くのデバイスが、より早く新しいAndroid体験を享受できるようになりそうです。
なお、Googleがこのスケジュールを維持する場合、Android 17の開発者プレビューは今年11月ごろにはスタートする可能性も高まっています。Androidの年間サイクルが新たなフェーズに入ったことを感じさせる動きです。