GoogleのPixelシリーズを使っていると、スムーズな操作感が魅力の一つですが、「スクロールのカクつき」問題に悩まされているユーザーは少なくありません。特にAndroid 14以降、この問題が発生し、多くのユーザーが不満を訴えてきました。Googleはすでに「修正済み」としていますが、実際にはAndroid 15でも依然として解決されていないようです。
そんな中、ある開発者がついにこの問題の根本原因を突き止め、独自に修正パッチを公開しました。Googleが正式な対応を取るのか、今後の動きが注目されています。
「スクロールのカクつき」は本当に解決されていない?
Googleは、Android 14で「スクロールのカクつき(stutter)」が発生する不具合を認識し、すでに修正したと発表しています。しかし、実際には最新のAndroid 15でもこの問題が続いているとの報告が後を絶ちません。
GoogleのIssue Trackerでは、「Android 15でもスクロールがカクつく」「数日前にPixel 8を購入したが、問題はそのままだ」といったユーザーの声が寄せられています。この問題が2023年に発生し、2025年になっても解決されていないのは、Googleの優先順位が低いことを示しているのかもしれません。
開発者が発見した「真の原因」
そんな中、Sultan Alsawaf氏という開発者が、Pixelのスクロール問題の根本的な原因を特定しました。GitHubに公開された分析によると、問題はGoogle独自のTensorチップのドライバコードにある同期処理のミスにあるとのこと。
具体的には、bts_update_bw()がbtsdev->lockを使用して同期処理を行っていたが、正しくはbtsdev->mutex_lockを使うべきだったという設計ミスがあり、これがディスプレイとプロセッサ間の帯域幅計算を不安定にし、結果としてスクロール時のカクつきを引き起こしていたそうです。
Alsawaf氏は単に原因を特定しただけでなく、Pixel 8向けに独自の修正パッチを公開し、この問題を解消することに成功しました。
Googleの対応は?
すでに問題の原因が特定され、解決策も提示されているにもかかわらず、Googleは現時点で公式の修正を行っていません。
この問題は、Pixelシリーズにおけるソフトウェアの最適化の甘さを象徴する事例とも言えるでしょう。特に、Googleが「修正済み」としていた問題が実は解決されていなかったことは、ユーザーからの信頼を損ねかねません。
今後、GoogleがAlsawaf氏の指摘を受け入れ、正式な修正を提供するのか注目されます。もし公式対応が遅れるようであれば、ユーザーの間で「Pixelはソフトウェアの最適化が甘い」という評価が定着してしまう可能性もあります。
まとめ:今後の展開に期待
Pixelシリーズは、Google純正のAndroid体験を味わえるスマートフォンとして高く評価されていますが、今回のスクロール問題のように、ユーザーエクスペリエンスを損なう不具合が長期間放置されることも少なくありません。
すでに解決策は見つかっている以上、Googleがこの問題をどう扱うのか、今後の対応が求められます。
もしPixel 8シリーズのユーザーで「スクロールのカクつき」に悩んでいるなら、今後のアップデート情報をこまめにチェックすることをおすすめします。