2022年の国内ハイエンドAndroid、と言えばXperia 1 IV/5 IVやGalaxy S22シリーズといった常連モデルから、最近ではXiaomi 12T Proといったハイコスパ・ハイエンドモデルもリリースされました。
そして年が明け、価格が下がってきた2022年モデルのハイエンド・スマートフォンの購入を検討している方も結構多いという印象を受けます。
しかし今回、当サイトではあえて、今、ハイエンドモデルを買うのは控えた方が良い、というアドバイスを思います。
Androidハイエンドは2023年モデルを待った方が良い3つの理由
ちなみにここで言う2023年ハイエンドモデル、というのは便宜上、Snapdragon 8 Gen2を搭載した機種(国内では未発売)とします。
Snapdragon 8 Gen2は久々の「名機スナドラ」の予感
まず、2023年ハイエンドを待って法が良い理由の最初・最大の理由として上げたいのが、クアルコムのチップセット、Snapdragon 8 Gen2が色々な面でかなり優秀な名チップセットとなる前兆が多くみられること。
例えば以下はSnapdragon 8 Gen2搭載のシャオミ製最新フラッグシップ、Xiaomi 13と前年のSD8Gen1搭載のXiaomi 12のGeekbenchにおけるベンチマークスコアを比較したもの。
ご覧のように、Snapdragon 8 Gen1→Gen2への1世代でシングルコアもマルチコアもベンチマークスコアが3割前後も向上しているのが分かります。
(また、SD8Gen2ではスコアのばらつきも小さく、安定しています)
ちなみに1世代で3割もベンチマークスコア性能が向上した例というのは過去何世代かのSnapdragon 8/800シリーズではなかったことで、これだけでいかに今回のチップセットの進化が大きいかが分かると思います。
また、Snapdragon 8 Gen2搭載機種はXiaomi 13シリーズを初め、中国ではすでに数モデルがリリースされていますが、ベンチマークスコアよりも重要なのは、今のところ、これらのモデルで過度な発熱といった、Snapdragon 8 Gen1やその一世代前のSnapdragon 888の搭載機種で多かったチップセット起因と思われるネガティブな評価の声がほとんど上がっていないこと。
国内でも、Xperia 1 IVなど、2022年モデルの多くは発熱によるスロットリングが機能制限といった問題が一時期大きな問題となりました。もちろん、機種によってはSD8Gen2搭載モデルでもこういった問題が起きる可能性はあると思いますが、全体として安定したチップセットなることは間違いないと思われます。
RAM規格が数年ぶりに新しく、LPDDR5Xへの進化
2023年ハイエンドモデルは数年ぶりにRAM規格が一新される世代でもあります。
最新ハイエンドから採用が始まった最新RAM規格、LPDDR5Xは前世代のLPDDR5と比較して最大33%高速なデータ転送速度に対応、さらに、電力効率が前世代と比べて最大24%向上していると言われています。
実際、すでに発表済みのSD8Gen2搭載モデルは今のところすべてがLPDDR5X RAMを搭載しており、これは今後発表されるGalaxy S23シリーズやXperia 1 V/5 Vといった機種も同様のはず。(でないとかなりディスられること確実)
ストレージ(フラッシュメモリ)も新規格、UFS4.0採用
そして3つ目の理由としては俗にいう「ストレージ」こと「フラッシュメモリ」の進化。
Snapdragon 8 Gen2搭載の今年の最新ハイエンド機種のほとんどはUFS4.0ストレージを採用しており、UFS 4.0では、1レーンあたり23.2Gbpsの帯域幅を実現し、シーケンシャルリード時の電力効率もUFS 3.1よりも約45%以上向上していると言われています。
メモリやストレージのデータの書込みや読込み、転送速度というのは実はかなり実使用における体感速度に大きく影響を与えると言われています。
(実際、詳しい方に話しを聞くと、ミッドレンジ以下のモデルを使っていて、低負荷の動作でも感じるもたつきの原因の多くはCPUやGPUよりも古めの規格のメモリのデータ転送速度に起因することが多いとか)
ちなみに確かではありませんが、RAMとストレージ規格が同世代で一緒に進化した例、というのは過去にあまりなかったような気もするので、そういった意味でも2023年は稀に見るハイエンドモデルのスペック全体の底上げが行われる年、ということに。
現在使っている端末が破損してどうしても買い換えないといけない、といった緊急性の高い状況でもない限り、ハイエンドモデルの購入を検討している方は機種を問わず、とにかく、Snapragon 8 Gen2+LPDDR5X+UFS4.0を搭載したモデルを待つことをお勧めします。
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