
Googleが今秋に投入する見込みの「Pixel 10」シリーズに、安心をもたらす重要な機能が引き続き搭載される可能性が浮上しています。アプリの内部コード解析(APKティアダウン)から、同シリーズが引き続き衛星通信機能をサポートすることが示唆されました。
Pixel 9から引き継がれる命を守る通信手段
Pixel 9シリーズは、Androidスマートフォンとして初めてネイティブな衛星SOS機能に対応。通信圏外でも衛星を通じて緊急メッセージを送信できるこの機能は、災害や遭難時など万が一の状況でユーザーの命を守る手段として注目を集めました。
そして、今回新たに明らかになったコードからは、Pixel 10でもこの機能が継続される可能性が高いことがうかがえます。
アプリの内部コードが示す“GLBW0”
Googleの「Adaptive Connectivity Services(適応型接続サービス)」アプリのバージョン2025.17を解析したところ、「GLBW0」「G4QUR」「GUL82」といったコードネームが記載されており、それぞれがPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLに該当することが過去のリークから判明しています。

このアプリは、端末の接続状況を最適化するだけでなく、一部で衛星通信の機能管理にも関与していると見られており、該当コードの存在はPixel 10シリーズが衛星通信対応である可能性を強く示しています。
なお、Pixel 10 Pro Foldと見られる「GU0NP」の記述は現時点で確認されていませんが、将来的に追加される可能性は残されています。
Tensor G5 × MediaTek T900で衛星対応を維持?
今回のPixel 10シリーズでは、SoC(プロセッサ)としてTensor G5を採用し、モデムにはMediaTek製T900が搭載されると見られています。これにより、従来のSamsung Exynos系モデムからの脱却が進むことになります。
MediaTek T900は、3GPP Release 17に準拠、もしくはそれ以上の規格に対応するとされており、これによって非地上ネットワーク(NTN)との通信が可能になります。つまり、モデムの変更があっても、衛星通信機能を維持できる土台が整っているのです。
Googleはまだ正式にPixel 10シリーズやその通信機能について発表していませんが、アプリコードの解析から見えてきたのは「安心」を重視する方向性の継続です。ハードウェア構成が刷新される中でも、ユーザーの命を守るための衛星通信機能が継続されるとすれば、それは非常に大きな価値を持つでしょう。今後の正式発表に注目が集まります。