クアルコムの最新チップセット、Snapdragon 8+ Gen1。
Snapdragon 8 Gen1をクロックアップしたアップグレード版というだけでなく、製造もサムスンからTSMCに移行。
そのためか、動作性能だけでなく、発熱の軽減や電力効率も大きく向上していると言われています。
そんなSD8+Gen1と初めて搭載した機種といえば先日シャオミが正式発表したXiaomi 12Sシリーズ。
そしてそのオリジナルモデルである無印SD8Gen1搭載のXiaomi 12とXiaomi 12S、そしてSD888搭載の前モデル、Xiaomi Mi 11のベンチマークを比較してみたところ、このSD8+Gen1の性能向上「幅」について少し興味深い事実が判明しました。
Xiaomi 12S、12、Mi 11のベンチマーク比較
以下はSD8+Gen1搭載のXiaomi 12S、SD8Gen1搭載のXiaomi 12、そしてSD888搭載の昨年のXiaomi Mi 11の期近50回分のベンチマークスコアの平均値を出したもの。
Xiaomi 12S (SD8+Gen1) | Xiaomi 12 (SD8Gen1) | Xiaomi Mi 11 (SD888) | |
シングルコア | 1301 | 1077 | 986 |
前モデルからの スコアアップ率 | +20% | +9% | – |
マルチコア | 3973 | 3282 | 2928 |
前モデルからの スコアアップ率 | +21% | +12% | – |
ご覧のようにXiaomi Mi 11→Xiaomi 12のGeekbenchにおけるベンチマークスコアの上昇率はシングルコアが9%程度、マルチコアが12%程度となっているのに対し、Xiaomi 12→Xiaomi 12Sのアップ率はいずれも20%。
つまり、世代の異なるSD888→SD8Gen1より同世代のSD8Gen1→SD8+Gen1の性能向上幅の方がはるかに大きい、ということになります。
なお、先日、SD8Gen1搭載のXperia 1 IVのGeekbench上でのベンチマークスコアがSD888搭載のXperia 1 IIIより劣っている、という件をお伝えしました。
Xperia 1 IVは発熱によるスロットリングが非常に強いと言われているで、これはある意味極端な事例かもしれませんが、それでもやはりSD888→SD8Gen1での進化の乏しさを示す一例であることは確かだと思います。
なお、クアルコムのSnapdragon 8シリーズはここ数年、年後半にアップグレード版の「Plus」をリリースしてきましたが、両チップのベンチマーク上の性能差はだいたい数パーセントといった感じ。
無印版とPlus版とでここまで大きな性能差がでたことは過去にありませんでした。
一方、2割のベンチマークスコア差、というのはまさに一昔前のSnapdragon 8シリーズの平均的な世代間の性能進化幅、といった感じ。
SD8Gen1とSD8+Gen1、ここまでくると世代の異なるチップセットといった感じで、SD8+Gen1こそがSD888の正統な後継チップといった印象ですね。
なんだかこの結果を見てしまうと、同シリーズに限らず、今年前半のSD8Gen1搭載機は何だったのだろう、という感じもしてしまいます。
ソース:Geekbench
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