ソニーモバイルの新型Xperiaフラッグシップ、Xperia 1 IV。
広範囲で発熱問題が指摘されている同モデルですが、その影響か、今回、同モデルのベンチマークスコアを前モデルと比較したところ、その性能がベンチマーク上にも表れている可能性が出てきました。
Xperia 1 IVのベンチマーク性能、旧型のXperia 1 IIIに完敗
以下はGeekbenchにおけるXperia 1 IVとXperia 1 IIIの期近100回分の平均値と標準偏差を一覧にしたもの:
Xperia 1 IV | Xperia 1 III | |
シングルコア 平均 | 1093 | 1106 |
シングルコア 標準偏差 | 160 | 55 |
マルチコア 平均 | 3082 | 3304 |
マルチコア 標準偏差 | 447 | 364 |
ご覧のように、シングルコアでもマルチコアでもSD8 Gen1搭載のXperia 1 IVのGeekbenchにおけるベンチマークスコアはSD888搭載の前モデル、Xperia 1 IIIよりも劣る、という結果に。
また、シングルコアの差は僅差で誤差の範囲かもしれませんが、マルチコアでの差は7%以上で、これは統計的にも十分有意な値です。
他機種では分かりませんが、これは少なくとも過去のXperiaフラッグシップではなかったことです。
ちなみにこのGeekbenchのベンチマークスコアはCPU性能の測定値であってGPU性能は勘案されていません。
一方で、他のベンチマークテストによるとSD8 Gen1のGPU性能はSD888から2割前後はアップしている模様。
よって、Xperia 1 IVのパフォーマンスがXperia 1 IIIから全く進化していない、ということではないと思いますが、少なくともCPU性能だけを見ると進化どころか退化、というのは否定できないところだと思います。
Xperia 1 IVは安定性でもXperia 1 III以下?
また、個人的にさらに気になるのは両モデルのスコアの「標準偏差」。
これは簡単に言えば測定毎のスコアの「バラつき」を表しているもので、数値が大きいほどベンチマークスコアが「不安定」ということになります。
そしてXperia 1 IVとXperia 1 IIIの値を比べると、シングルコアとマルチコア、いずれの標準偏差もXperia 1 IVの方が大きくなっており、測定毎にスコアが上下する振れ幅が大きい、つまり「不安定」ということになります。
Xperia 1 IVは発売当初から発熱と、それに対するかなりアグレッシブなスロットリングがされていると言われていますが、まさにこのスコアの大きな上下はそのスロットリングの有無によって出るものではないかと思われます。
ベンチマーク上の性能とは言え、同一ブランドで最新モデルが前モデルより低性能、というのはかなり不名誉な事実だと思います。
一部ではアップデートにより発熱対策がされているとも聞くので、国内モデルも今後のアプデでの性能向上に期待したいところです。
データソース:Geekbench
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