先日、ドコモの新たな割引キャンペーン開始により、条件付きながら性能面では遥かに優れているXperia 1 IIが最新ミッドレンジモデル、Xperia 10 IVよりも安く買えてしまう、という珍しい現象が起きている、とお伝えしました。
この「珍現象」を知り、ちょっと不思議に思うことがありました。
というのも、Xperiaに限らず、Androidスマートフォンは一般的に販売期間が短く、特にキャリアが扱うモデルではその傾向が強いと言えます。
一方、このXperia 1 IIのように、旧型モデルとは言え、最新ミッドレンジ以上の性能のモデルをそのミッドレンジ以下の価格で購入できる、というのは非常に魅力的と考えるユーザーは結構いるはず。
が、このドコモのXperia 1 II(Galaxy S20もですが)は例外的で、旧型モデルをこのような安価で何度も再販を繰り返すというのはさらにレアとも言えます。
iPhoneでは当たり前の商法
旧型ハイエンドモデルをミッドレンジ並みの価格で販売を長期間続ける。
このAndroidではあまり見られないことを過去何年もにわたって行っているのがiPhoneシリーズです。
iPhoneの場合、最新機種に搭載されるチップセットはごく一部の例外を除いてすべて「最新・最高性能」のもの。
つまりチップセットの性能だけでいえば新型iPhoneはすべて「ハイエンド」ということになります。
一方、アップルは主にキャリアやMVNOを通して最新モデルと比べると性能の劣る型落ちのモデルの価格を徐々に下げ「ミッドレンジ化」して販売を続けます。
例えば、ドコモではいまだに第2世代のiPhone SEを取り扱っており、アップル公式ストアではまだiPhone 11の購入も可能で、まさにこれらのモデルは「ミッドレンジ」扱い。
(とはいっても十分「アッパーミドル」の性能がありますが)
なぜAndroidハイエンドモデルではやらない・できないのか?
新機種がでるとすぐに旧機種が市場から消えてしまう傾向の強いAndroid市場。
この旧型ハイエンドのモデルをミッドレンジ扱いで売り続けるという「アップル商法」ですが、なぜAndroidスマートフォンではあまり見かけないのでしょうか?
私なりに原因を推測してみました:
メーカーによるOSアップデート期間が短い
iPhoneの平均的なOSアップデート・サポート期間は5年と言われています。
一方、Androidでは最近になってサムスンがGalaxyハイエンドモデルの4年間のアップデートサポート予定を表明するなどしていますが、iPhoneには届かず。
また、Google純正のPixelでさえ、アップデートサポートは3年間です。
また、ソニーのXperiaなど、それ以外のほとんどのメーカー・ブランドではまだ2年/2回のOSアップデート提供がデフォルトです。
つまり、iPhoneとAndroidでは平均して2~3年もOSアップデートサポートの期間が差がある、ということに。
そしてこのアップデートサポート期間の短さが、キャリアなどが長期にわたって同一端末を取り扱う弊害になっている可能性もありそうです。
というのも、例えばAndroid 13搭載の最新機種が主流となっているときに、Android 11搭載でアップデート予定もない旧機種をリリースすることはできない、ということもありそう。
「アップデートに消極的」と批判されることもある国内キャリアですが、それでもやはりセキュリティ面などで、ほとんどOSやファームウェアアップデートのされない機種を取り扱い続けることは難しい部分があるのかもしれません。
一方、ハイエンドモデルの生産ラインを従来よりも長期間維持して生産を続ける。その代わり徐々に価格を下げ、そんかわりOSアップデートは長期間保証する。
その方が毎年ミッドレンジ新機種をリリースする必要性もなく、また、開発費なども抑えられ、特にソニーのようなコスト削減のためのモバイル部門の縮小をしているメーカーにとっても良いような気がするのですが・・・
皆さんのご意見はいかでしょうか?
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