
Sonyが、ゲームプレイ中の操作パターンから同一人物による複数アカウントの使用を検出する技術に関する特許を出願していたことが明らかになりました。プレイヤーの操作傾向をAIで分析し、別アカウントを使って低ランク帯に潜り込む行為、いわゆるスマーフィングを検出する仕組みです。
この技術が実際に導入されれば、PS6を含む将来のPlayStationプラットフォームで、対戦ゲームのランクマッチをより公平にするための対策として活用される可能性があります。
コントローラーの操作パターンから同一プレイヤーを識別
今回の特許は、Sonyが2026年4月20日に出願し、11月5日に公開されたものです。ゲームプラットフォーム上のユーザーを、ゲームプレイ時の特徴から識別する技術が説明されています。
仕組みとしては、プレイヤーがコントローラーで入力した操作データを収集し、AIモデルによって特徴を分析します。単純にボタンを押した回数だけでなく、入力間隔やメニュー操作の傾向、ゲーム内での操作パターンなども分析対象になるとされています。

そして、異なるアカウントから取得された操作データを比較し、一定以上の類似性が認められた場合、同一人物が複数アカウントを使用している可能性があると判断します。
検出結果はプラットフォーム側やゲーム開発者に通知され、必要に応じてランクマッチへの参加制限や、サブアカウントの停止・禁止といった措置につなげられる仕組みです。
スマーフィングとは?初心者の対戦環境を壊す問題
スマーフィングとは、実力の高いプレイヤーが別のアカウントを作成し、低ランク帯でプレイする行為を指します。
本来であれば同程度の実力を持つプレイヤー同士が対戦するはずのランクマッチに、上級者が紛れ込むことで、初心者や経験の浅いプレイヤーが一方的に敗北する状況が発生します。
別アカウントを使用する理由はさまざまですが、意図的に低ランク帯で勝ち続けることを目的としたケースもあり、対戦環境の公平性を損なう問題として長年指摘されてきました。
AIによる実力推定で誤検出を防ぐ仕組みも
ただし、操作パターンが似ているだけで同一人物と判断すると、誤検出によって正規のアカウントが制限される可能性もあります。
Sonyの特許では、こうした問題を軽減するための仕組みも説明されています。
AIモデルは、既知の高ランクプレイヤーの操作データと比較することで、プレイヤーの実力を推定することも可能とされています。また、意図的に試合に負けてランクを下げるような操作データについては、評価への影響を抑える仕組みも想定されています。
さらに、プレイヤーの実際のパフォーマンスに応じて評価を動的に更新することで、単純な操作パターンだけに依存しない識別を目指しているようです。
PS6への導入は未確定、他のゲーム機への応用も可能か
今回の特許がPS6向けに開発されたものなのか、あるいは現行PlayStationにも適用されるのかは明らかになっていません。特許の公開だけで、実際の製品やサービスへの採用が確定したわけではありません。
また、ゲーム中の操作データをAIで分析することに対して、プライバシー面で懸念を持つユーザーもいるかもしれません。
一方、対戦ゲームではリプレイ機能などのために操作データがすでに記録されているケースもあります。例えばStreet Fighter 6では、プレイヤーの入力情報を利用して試合を再現する仕組みが採用されています。
こうした既存のデータを活用できれば、スマーフ対策のために新たな入力記録を大幅に増やす必要はない可能性があります。
特に格闘ゲームでは、Street Fighter Vのようにキャラクターを変更するとアカウント全体のランクに影響する仕組みが、サブアカウントを作る理由の一つになっていました。Street Fighter 6ではキャラクターごとにランクが管理されるようになり、この問題は改善されています。
それでも、初心者狩りなどを目的としたスマーフィングは依然として存在します。
Sonyの今回の特許は、こうした問題に対してゲーム機側から対応する可能性を示すものです。実際に導入されれば、プレイヤーの実力に近い相手と対戦できる環境を整え、ランクマッチの公平性を高める技術となるかもしれません。
※現時点では特許段階であり、PS6への搭載や具体的な運用方法は発表されていません。


