
スマートフォンを操作しながら歩く何気ない習慣が、思わぬ事故につながっているようです。米国の約180万件の病院記録を分析した調査によると、2021~2025年にスマホ使用に関連して発生した救急受診のうち、歩行中にバランスを崩して転倒するケースが最も多く、推定7,760件に達したとされています。
スマホを見ながら歩く事故が最多、特に高齢者に影響
今回の調査は、米国の法律事務所Calderon Law Firmが連邦病院の記録約180万件を分析し、スマートフォンの使用に関連する事故をまとめたものです。
意外にも、最も多かったのは運転中のスマホ操作ではなく、歩行中にスマホを使用してバランスを崩す事故でした。2021~2025年の救急受診は推定7,760件で、スマホ使用に関連する負傷全体の18%を占めています。
特に65歳以上の高齢者が被害を受けやすく、最も多い負傷部位は頭部、代表的なけがは骨折だったとされています。
スマホの画面に注意を向けていると、周囲の段差や障害物に気付きにくくなり、転倒時に手をつくなどの防御動作も遅れる可能性があります。
運転中のスマホ使用や階段での転倒も上位に
調査では、運転中のスマホ使用も主要な事故原因として挙げられています。
| 事故の内容 | 推定救急受診数(2021~2025年) |
|---|---|
| 歩行中にバランスを崩す | 7,760件 |
| 運転中に電話に応答・スマホを拾う | 4,850件 |
| 運転中にスマホを見る | 4,650件 |
| 階段から転落する | 4,000件 |
| 柱・壁・ドアに衝突する | 3,145件 |
| 縁石や不均一な歩道で転倒する | 3,020件 |
| 自転車走行中の事故 | 2,320件 |
| 電動自転車・電動スクーターでの事故 | 1,980件 |
階段での転倒や、柱・壁への衝突、縁石につまずく事故なども上位に入っています。特に階段からの転落では45~64歳の中年層、障害物への衝突では25~44歳の成人が多く、スマホによる注意散漫は幅広い年齢層に影響していることがうかがえます。
なお、運転中の電話への応答と、落としたスマホを拾う行為が同じカテゴリーに分類されている点には注意が必要です。両者では危険性や状況が異なるため、単純に同一の行為として評価することはできません。
運転中だけでなく歩行中もスマホ操作を控えたい
スマホのながら運転が危険であることは広く知られていますが、今回の調査は歩行中や階段の上り下りといった日常的な場面でも事故が起きていることを示しています。
歩きながら通知を確認したり、階段で画面を操作したりする行為は、本人が危険を意識していなくても転倒や衝突につながる可能性があります。
スマートフォンは生活に欠かせない存在になっていますが、使用するタイミングや場所には注意が必要です。移動中は画面を見るのを控え、確認が必要な場合には安全な場所で立ち止まることが、事故を防ぐうえで重要になりそうです。
※今回の数値は法律事務所による病院記録の分析に基づく推定値であり、スマホ使用が事故の直接的な原因だったかどうかや、調査方法の詳細については、元資料の確認が必要です。

