PS5でSteamが動作するBazzite移植版が登場 外付けSSDから起動できGPUの40 CU開放にも対応

PlayStation 5でLinuxベースのOSを動作させ、SteamのPCゲームをプレイする取り組みが進んでいます。新たに、携帯型ゲーミングPC向けのBazzite-deckをPS5に移植したプロジェクトが公開されました。

この移植版は外付けストレージから起動できるため、PS5本来のシステムを消去せずにSteamのゲームを動かせるのが特徴です。さらに、通常は無効化されているGPUの演算ユニットを追加で有効化するオプションも用意されています。

外付けSSDから起動してSteamを利用可能

今回公開されたBazzite-deckのPS5向け移植版は、rmux氏が開発したPS5 Linuxローダーを利用しています。

最大の特徴は、Linux環境を外付けストレージから起動できることです。内蔵ストレージの既存OSを消去する必要がなく、外付けSSDなどに環境を用意すれば、PS5本来のシステムとLinux環境を使い分けられます。

ただし、利用にはPS5の脱獄が必要です。通常のPS5でUSBストレージを接続するだけで使えるわけではなく、対応するファームウェアや環境など、導入条件を満たす必要があります。

Steamのゲームモードから直接起動

Bazzite-deckは、ROG Allyなどの携帯型ゲーミングPC向けにも展開されているLinux環境です。

PS5向け移植版も、起動するとSteamのゲームモードが直接立ち上がる仕組みになっています。必要に応じてKDEデスクトップ環境へ切り替えることもでき、一般的なLinux PCに近い使い方も可能です。

初期利用者からは、開発者が不具合修正のアップデートを継続的に提供しているとの報告が出ています。また、改造したPS5で『原神』『Palworld』『RimWorld』などが比較的良好に動作しているという声もあります。

もちろん、すべてのSteamゲームが問題なく動作するわけではありません。ゲームごとの互換性やパフォーマンスには差があり、現段階では開発途上のプロジェクトとして見る必要があります。

無効化されているGPUの4 CUを開放するオプションも

今回の移植版でもう一つ興味深いのが、PS5のGPUを追加で開放するオプションです。

標準PS5のRDNA 2ベースのAPUには、物理的には40基のCompute Unit(CU)が搭載されています。しかし、ソニーはファームウェアによって通常36 CUのみを有効にしています。

Bazzite-deckの移植版には、この制限を解除して40 CUすべてを利用可能にするオプションが用意されています。

ただし、4基のCUを追加で有効にしたからといって、ゲーム性能が大幅に向上するとは限りません。開発者自身もこの機能の使用を推奨しておらず、クラッシュやGPU関連の不具合が発生する可能性があると警告しています。

PS5をSteam Machineの代替にできる可能性

今回のプロジェクトは、PS5をゲーム機としてだけでなく、Steam対応のLinuxゲーミングPCとして活用する可能性を示しています。

外付けストレージから起動できる点は、既存のPS5環境を残したいユーザーにとって大きなメリットです。一方で、脱獄が必須であることや、ゲームごとの互換性、動作の安定性など、一般ユーザーが気軽に利用できる段階にはまだ達していません。

プロジェクトはGitHubで公開されており、導入手順も確認できます。PS5のハードウェアを活用してSteam Machineに近い環境を構築する試みとして、今後の開発にも注目が集まりそうです。

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