
PlayStation 3エミュレーター「RPCS3」の開発チームが、『Twisted Metal』をPC上で70FPSで動作させることに成功したと報告しました。PS3タイトルの中でもエミュレーション負荷が高い作品のひとつとされるだけに、RPCS3の最適化がさらに進んでいることを示す結果となっています。
『Twisted Metal』が70FPSに到達
今回の結果は、RPCS3の「Max Performance」環境で確認されたものです。AMD Ryzen 7 9800X3Dを搭載したPCにLinuxを組み合わせた構成で、グラフィックスカードはRadeon RX 7800 XTまたはGeForce RTX 4070クラス、メモリは16GB、ストレージにはSSDが使われています。
テストにはゲームのオープニング画面が使用されています。RPCS3開発チームによれば、この画面は安定したゲーム内ベンチマークとして利用でき、実際のゲーム環境でエミュレーターの性能を確認するのに適しているとのことです。
なお、今回の70FPSは最終的な性能限界ではありません。使用された最適化の一部は現在も開発中とされており、今後さらにパフォーマンスが向上する可能性があります。
PS3でも特にCPU負荷が高いタイトル
『Twisted Metal』は2012年にPS3向けに発売された作品で、オリジナル版は720p・30FPSをターゲットとしていました。
RPCS3でのエミュレーションが難しい理由のひとつが、PS3のCell Broadband Engineに搭載されたSPUをゲーム側が非常に積極的に利用していることです。RPCS3ではPS3の複雑なCPU処理をPC上で再現する必要があるため、CPU性能がパフォーマンスに大きく影響します。
RPCS3開発チームも、『Twisted Metal』はSPUを非常に集中的に使用するため、エミュレーション時のCPU負荷が特に高いタイトルのひとつだと説明しています。
そのため、Ryzen 5 5600、32GBメモリ、Radeon RX 5700という構成では、30FPSを大きく下回るとされています。単純に高性能なGPUを搭載するだけでは十分ではなく、CPU側の処理能力が重要になるタイトルです。
70FPSでもまだ「Playable」ではない
今回70FPSを達成したことで、完全に快適な状態になったようにも見えますが、RPCS3では『Twisted Metal』はまだ「Playable」には分類されていません。
RPCS3では、ゲームを最初から最後までプレイでき、十分なパフォーマンスを維持しながらゲーム進行を妨げる重大な不具合がないことなどが「Playable」の基準となっています。
そのため、今回の70FPS達成はあくまでエミュレーション性能における大きな技術的進展です。ゲーム全体の互換性が完成したことを意味するものではありません。
それでも、PS3の中でも特にCPU負荷が高いタイトルで、従来の30FPSを大きく上回る70FPSに到達したことは、RPCS3の開発が着実に進んでいることを示す成果と言えそうです。さらに最適化が進めば、これまで高性能なPCを必要としていたタイトルでも、より幅広い環境での動作が期待できそうです。

