Pixel 11のゲームがカクつく原因判明?「ANGLE」を変更すると改善する可能性

Pixel 11シリーズでは、ゲーム中のマイクロスタッターや一瞬のカクつきが報告されています。特に「原神」ではフレームタイムの大きな乱れが確認されていますが、その原因の一つとして、GoogleがPixel 11から標準採用した「ANGLE」が関係している可能性が浮上しました。さらに、設定を変更することで症状を改善できる場合もあるようです。

Pixel 11で「ANGLE」が標準に

Pixel 11シリーズでは、Tensor G6にPowerVR CXTP GPUを採用したことに加え、OpenGL ESを利用する際の標準実装としてANGLEが使われるようになりました。

ANGLEは、OpenGL ESの命令をVulkanの命令へ変換する互換レイヤーです。これによってOpenGL ESを利用するゲームやアプリを、Vulkanをベースとした環境で動作させられるようになります。

Android Authorityが開発者向けオプションの「ANGLE toast」を有効にして確認したところ、Pixel 11 Pro XLでは「Asphalt Legends」「Call of Duty Mobile」「原神」「Dolphin Emulator」などでANGLEが利用されていました。

「原神」でフレームタイムの乱れが増加

問題を詳しく調べるため、Android AuthorityはPixel 11 Pro XLで「原神」を再テストしました。

ANGLEが標準設定の状態では、フレームタイムに大きなスパイクが繰り返し発生し、細かなカクつきや一時的な停止が目立ったとしています。特に、新しいアニメーションや敵キャラクター、パーティクルエフェクトなど、これまで表示していなかった描画処理が発生した場面で症状が目立ったとのことです。

一方、ANGLEを無効にしてネイティブのOpenGLを使用すると、大きなフレームタイムのスパイクが大幅に減少しました。テストでは最悪時のフレームタイムも100ms未満に収まったとされており、完全に60fpsで安定するわけではないものの、体感につながる大きなカクつきは明らかに減少したと報告されています。

ANGLEからVulkanへの変換が影響か

現時点では、ANGLEがPixel 11のゲーム性能低下をすべて引き起こしていると断定することはできません。今回のテストも「原神」を中心としたもので、ゲーム側の最適化が原因である可能性も残されています。

ただ、OpenGL ESの処理をVulkanへ変換する過程で、描画状態やシェーダーなどの準備に追加のCPU処理やドライバー側の処理が発生すれば、特定のフレームだけ処理が間に合わず、平均フレームレートの低下ではなくマイクロスタッターとして現れる可能性があります。

Android Authorityも、パイプラインコンパイルがすべてのカクつきの直接的な原因だとは確認できていないとしています。そのため、現時点では「ANGLEからVulkanへの処理経路が有力な要因の一つ」という位置付けです。

開発者向けオプションから改善できる場合も

今回の検証で興味深いのは、ユーザー側でANGLEの動作を変更できることです。

Pixel 11で「原神」のカクつきが気になる場合は、まず「設定」から「デバイス情報」に進み、「ビルド番号」を複数回タップして開発者向けオプションを有効にします。

その後、「設定」→「システム」→「開発者向けオプション」から「ANGLE Preferences」を探すと、アプリごとに「Default」「Force ANGLE」「Native」を選択できます。

Pixel 11では「Default」が基本的にANGLEを使用する設定になっていますが、「Native」を選択すると、OpenGL ESを従来のネイティブ実装で動作させられます。

つまり、「原神」のようにANGLEによる処理がカクつきの原因になっている可能性があるゲームでは、アプリ単位で「Native」に変更することで改善する可能性があります。ただし、すべてのゲームで効果があるとは限らず、タイトルによってはANGLEのほうが適している場合もあります。

また、現時点ではシステム全体を一括して従来のOpenGL実装へ戻す設定は用意されていません。そのため、問題が発生しているゲームだけ個別に変更する使い方になります。

Pixel 11のゲーム問題はGPUだけが原因ではない可能性

Pixel 11では発売直後から「原神」のグラフィック問題も報告されており、HoYoverseとGoogleが最適化に取り組んでいることが明らかになっています。以前の問題ではPowerVR GPUがゲーム側の最低要件を満たしていないことが指摘され、アップデートによる修正が予定されていました。

また、別の実機テストでは、Pixel 11 Pro XLは「Call of Duty Mobile」や「Asphalt Legends」「原神」をプレイできるものの、60fpsを安定して維持できない場面があり、「原神」では長時間のプレイで40℃を超えた後にフレームレートが大きく低下するケースも確認されています。

そのため、Pixel 11のゲーム性能についてはTensor G6やPowerVR GPUそのものの性能だけでなく、ゲーム側の最適化、GPUドライバー、そして今回判明したANGLEの処理経路など、複数の要素を分けて考える必要があります。

少なくとも今回の検証では、Pixel 11 Pro XLの「原神」でANGLEをNativeに変更することで大きなフレームタイムの乱れが減少しており、ゲームのカクつきに悩んでいるユーザーにとっては試す価値のある設定と言えそうです。今後Googleやゲーム側のアップデートによって、この問題がどこまで改善されるのかにも注目されます。

ソース

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