
PlayStationが小島秀夫氏の新作ステルスアクションゲーム「Physint」への出資を取りやめ、Kojima ProductionsがXboxと提携することになったと報じられています。2024年の発表以来、詳細がほとんど明らかにされていなかった同作ですが、その背景には開発費への懸念に加え、PlayStation側が時限独占タイトルへの巨額投資をためらった事情があったようです。
「Death Stranding」の売上も判断材料に
BloombergのJason Schreier氏によると、PlayStationが「Physint」から距離を置いた理由の一つは、小島氏が手掛けた「Death Stranding」および続編の商業的な実績が、PlayStation側の期待を下回ったことだとされています。
さらに、「Physint」は開発スケジュールにも遅れが生じており、発売までまだ数年ある段階にもかかわらず、当初の予算を大幅に超える可能性が高まっていたと報じられています。
小島氏の作品は開発規模が大きくなりやすいことで知られており、巨額の開発費を投じる以上、PlayStationとしても将来的な収益を慎重に見極める必要があったと考えられます。
時限独占では巨額投資のメリットが薄い
もう一つ大きかったとされるのが、PlayStationにとって「Physint」が恒久的な独占タイトルにならない可能性です。
「Death Stranding」と「Death Stranding 2」はPlayStation向けに先行して発売されたものの、後にPCなど他のプラットフォームにも展開されています。しかも、Kojima Productionsが作品のIPを保有しているため、PlayStationが数億ドル規模の投資を行っても、最終的には他社プラットフォームでも展開される可能性があります。
この点が、PlayStation側にとって大きな判断材料になったとされています。
一方、XboxはPCを自社タイトルの主要な展開先として位置付けているため、XboxとPCの両方で「Physint」を発売する今回の計画との相性が良かったとみられます。
また、今回の契約には「Physint」だけでなく、小島氏が手掛ける「OD」に関する映画・テレビ向けの権利も含まれているとされます。ゲーム以外の映像展開まで含めれば、Xboxにとっては長期的なコンテンツビジネスにつなげられる可能性があります。
PlayStation 6の登場を控える中で、PlayStationはハードウェア価格の引き上げやライブサービス戦略、スタジオ閉鎖など、さまざまな判断を迫られています。「Physint」からの撤退も、単純に小島氏との関係が悪化したというより、巨額の開発費に対して自社ハードだけで十分なリターンを確保できるのかという、PlayStation側の事業判断が大きく影響した可能性がありそうです。


