SamsungとSK hynixの在庫が10日未満に AI需要でメモリ不足が深刻化

AIデータセンターへの巨額投資が続くなか、メモリ半導体の需給がかつてないほど逼迫しています。韓国メディアの報道によると、SamsungとSK hynixではメモリ在庫が第3四半期時点で10日未満の水準まで低下しているとされ、AI向け需要の急増が一般的なメモリ市場にも影響を及ぼし始めています。さらに、2027年には次世代HBM4の本格化によって、供給不足が一段と深刻になる可能性も指摘されています。

HBMへの生産集中が一般向けメモリを圧迫

現在のメモリ不足を引き起こしている大きな要因の一つが、AIデータセンターで使用されるHBMです。

HBMは複数のDRAMを垂直方向に積層した構造を採用しているため、製造には大量のDRAM生産能力が必要になります。SamsungやSK hynixなどのメモリメーカーは、利益率の高いHBMの需要に対応するため生産能力を振り向けており、その影響でスマートフォンやPCなどに使われる一般的なDRAMの供給にも余裕がなくなっています。

つまり、AI向け半導体の需要が増えているだけではなく、HBMの生産拡大そのものが、一般消費者向けメモリの供給を圧迫する構図になっています。

SamsungとSK hynixの在庫は10日未満に

韓国の投資会社KB Securitiesの分析をもとにした報道によると、SamsungとSK hynixのメモリ在庫は第3四半期時点で10日未満まで減少したとされています。

KB SecuritiesのKim Dong-won氏は、在庫がこれほど低い状態では、単純な需要増加だけでなく、供給量そのものの不足によって市場にさらなる混乱が生じる可能性があると指摘しています。

特に影響が懸念されるのがDDR5や企業向けSSDです。AIデータセンターの増設によってサーバー向けメモリやストレージの需要も拡大しており、HBMだけでなく幅広いメモリ製品で需給が逼迫する可能性があります。

2027年はHBM4でさらに厳しくなる可能性

メモリ市場にとって、さらに警戒されているのが2027年です。

次世代のHBM4は、従来世代よりも製造に必要なメモリ容量が大きくなるとみられています。AIアクセラレーターの性能向上に伴ってHBMの搭載量が増えれば、必要となるDRAMの量も増加します。

そのため、HBM4の生産が本格化すれば、現在でも限界に近づいているメモリ生産能力がさらに圧迫される可能性があります。

KB Securitiesは、AIインフラへの投資額が2026年に1兆3,000億ドルに達し、前年比で60%増加する可能性があると予測しています。そのうちメモリ半導体が占める割合は57%に達すると見込まれており、AI関連投資がメモリ需要を強力に押し上げる状況が続きそうです。

メモリ価格だけでなくGPU価格にも影響

メモリ不足の影響は、メモリ半導体そのものにとどまりません。GPUなどの価格にも波及しているとされています。

AI向けGPUの需要が高まる一方で、GPUに搭載されるGDDRなどのメモリ価格も上昇しており、製品全体のコストを押し上げる要因になっています。市場ではNVIDIAがGPU価格を20~30%程度引き上げたとの報道も出ています。

メモリメーカーがAI向けHBMを優先して生産する状況が続けば、スマートフォンやPC、サーバー、グラフィックスカードなど、幅広い電子機器の価格や供給にも影響が及ぶ可能性があります。

AIブームによって半導体市場の成長が続く一方、その裏側ではメモリ生産能力をめぐる競争が激しくなっています。SamsungとSK hynixの在庫が10日未満まで低下しているとの指摘が事実であれば、メモリ市場はすでにかなり余裕のない状態にあると考えられます。

特にHBM4の普及が進む2027年には、AI向け需要と一般用途向け需要の間で生産能力の奪い合いがさらに激しくなる可能性があり、今後のメモリ価格やスマートフォン、PCなどの製品価格にも注目する必要がありそうです。

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