
Qualcommの次期ハイエンドSoC、Snapdragon 8 Elite Gen 6 Proとみられる実物チップの画像が流出しました。今回の画像からは、従来のスマートフォン向けSoCとは異なる大幅な設計変更が確認でき、特にDRAMをSoCの上に積層する従来方式から変更し、専用のヒートシンクで冷却する構造が採用される可能性が浮上しています。
SoCの大型化は新しいDRAM配置が理由か
今回流出した画像では、チップ上にSM8975および101-BCという表記が確認できます。SM8975は、これまでSnapdragon 8 Elite Gen 6 Proに割り当てられる型番とみられてきたものです。

注目されるのが、SoCとDRAMの配置方法です。これまでのスマートフォン向けチップでは、PoP(Package-on-Package)方式によってDRAMをSoCの上に重ねる構造が一般的でした。
一方、今回のSnapdragon 8 Elite Gen 6 Proでは、この方式を採用せず、DRAMをSoCの横に配置する設計になるとみられています。さらに、DRAMをヒートシンクで直接冷却する構造が検討されているようです。
その影響もあり、流出したチップは従来世代よりもかなり大きく見えます。単純にSoCそのものが巨大化したというより、新しいメモリ配置と冷却機構を組み込んだ結果として、パッケージ全体のサイズが大きくなっていると考えられます。
発熱を抑えながら高クロックを維持する狙い
今回の設計変更で期待される最大のメリットが、持続的な性能の向上です。
スマートフォンのSoCは、短時間のベンチマークでは高いクロックを維持できても、負荷が長時間続くと発熱によって動作周波数を下げることがあります。
DRAMをSoCの上ではなく側面に配置し、さらにヒートシンクで冷却する構造を採用すれば、熱をより効率的に逃がせる可能性があります。これによってCPUやGPUが高いクロックをより長く維持できれば、瞬間的なベンチマークスコアだけではなく、ゲームなどの長時間負荷でも性能を発揮しやすくなると考えられます。
つまり、今回の設計は単純なピーク性能の追求というより、長時間にわたって性能を維持するための熱設計を重視したものといえそうです。
スマートフォン側の設計にも影響
ただし、この構造を採用する場合、チップメーカーだけでなくスマートフォンメーカー側にも影響が及びます。
従来とは異なるDRAMの配置やヒートシンクを必要とするため、端末内部の基板や部品配置を大幅に見直さなければならない可能性があります。特に限られたスペースに多数の部品を詰め込むスマートフォンでは、新しいパッケージ構造への対応が設計上の課題になるかもしれません。
また、今回確認された101-BCという表記からは、メモリについてはLPDDR6ではなくLPDDR5Xをサポートする仕様になる可能性も指摘されています。
一方、Snapdragon 8 Elite Gen 6 ProではTSMCの2nmプロセスを採用するとみられており、製造プロセスの微細化による消費電力の低減も期待されています。
次世代Snapdragonは持続性能が大きな焦点に
Snapdragon 8 Elite Gen 6 Proは、CPUやGPUのピーク性能だけでなく、発熱を抑えながらどこまで高い性能を維持できるかが大きなポイントになりそうです。
今回の実物チップ画像が示す新しいDRAM配置と冷却構造が実際に製品へ採用されれば、スマートフォンのSoC設計そのものに影響を与える可能性があります。今後、実機でのベンチマークや長時間負荷時の性能が明らかになれば、この新設計がどれほどの効果を発揮するのかも見えてきそうです。


