
ソニーが、PlayStation Storeで販売されているデジタルゲームの価格をめぐる集団訴訟で、約785万ドル(約12億円)を支払う和解案に合意しました。訴訟では、ソニーがPlayStation Storeにおけるデジタルゲームの価格競争を実質的に制限しているとして問題視されていました。和解が裁判所に承認されれば、一定の条件を満たすユーザーが支払いを受けられる可能性があります。
PlayStation Storeの価格設定をめぐり提訴
この訴訟は2024年に提起されたもので、原告側はソニーがPlayStation Storeにおいてデジタルゲームの価格を事実上コントロールできる立場を築いていると主張していました。
訴訟では、ゲームパブリッシャーが最終的な販売価格についてソニーに大きな裁量を与えざるを得ない仕組みになっていることや、PlayStation Storeで利用できるデジタルゲームのダウンロードコードを外部の小売店が販売できなくなったことなどが問題として挙げられています。
以前は、PlayStation Store以外の小売店でデジタル版ゲームのコードを購入し、それをPlayStation Storeで利用する方法が存在しました。しかし、ソニーがこの販売方式を終了したことで、デジタルゲームの価格をめぐる競争が失われたというのが原告側の主張です。
ソニーは不正行為を認めずに和解
今回の和解で重要なのは、ソニーが訴訟で指摘された不正行為を認めたわけではないという点です。
ソニー側の訴えを退ける申し立てが認められなかったことを受け、同社は裁判を継続するのではなく、約785万ドルを支払うことで問題を解決する方向に進んでいます。
今後、裁判所が和解案を承認すれば、対象となる請求は終了します。さらに、請求が「with prejudice」の形で却下されるため、同じ問題について改めて訴訟を起こすこともできなくなります。
つまり、今回の支払いはソニーが価格設定について違法行為を認めたことによる罰金ではなく、訴訟を終結させるための和解金という位置付けです。
2019年から2023年にゲームを購入したユーザーが対象
今回の和解では、2019年4月1日から2023年12月31日までの期間にPlayStation Storeで対象となるゲームを購入したユーザーが、支払いを受けられる可能性があります。
対象作品は数十タイトルに及び、「NieR」「バイオハザード RE:4」「The Last of Us Remastered」などが含まれています。
さらに、PlayStation Vita向けタイトルも対象となっており、「Uncharted: Golden Abyss」や「Killzone: Mercenary」などもリストに掲載されています。
ただし、対象期間中にゲームを購入していれば必ず一定額が支払われるというわけではなく、実際の支払い条件や金額については、裁判所による和解案の承認などを経て確定することになります。
今回の訴訟は、デジタルゲームの販売が特定のプラットフォームに集中することで、消費者が価格を比較して購入する機会がどこまで確保されるべきなのかという問題を改めて浮き彫りにしています。物理パッケージからデジタル販売への移行が進む中、ゲームの価格設定や販売方法をめぐる競争環境は、今後も重要な論点になりそうです。


