
ソニーのフラッグシップワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM6」について、ヘッドバンドの一部が破損するという報告がReddit上で複数確認されています。WH-1000XM6ではヒンジ破損との情報が一部で広がっていますが、今回問題視されているのはヒンジそのものではなく、ヘッドバンド両端にある樹脂製リングです。リングが割れることで、ヘッドバンドの長さを調整するスライダー部分が外れてしまうケースが報告されています。
13件の破損事例を確認

今回の問題を取り上げたTheWalkmanBlogでは、2025年12月から2026年8月までにRedditへ投稿された13件の破損事例を確認したとしています。
投稿された写真を見ると、ヘッドバンドの端にある樹脂製リングの側面が割れているケースが目立ちます。このリングはヘッドバンドのスライダーを所定の位置に保持する役割を担っているとみられ、リングが破損するとスライダーを固定できなくなり、ヘッドバンドから外れてしまうことがあります。

なお、今回確認された事例の数は、過去にWH-1000XM5で問題となったヒンジ破損ほど多くはありません。現時点でWH-1000XM6全体に広範囲な故障が発生していると判断できる状況ではない点には注意が必要です。

一方で、高価格帯のフラッグシップモデルであることを考えると、複数のユーザーから同じ箇所の破損が報告されていることは気になるところです。
破損原因は樹脂の強度、それとも設計上の問題?

公開されている写真からは、リングの側面部分、特にヘッドバンド中央とほぼ同じ高さに位置する部分で亀裂が発生しているように見えます。
この部分には目立った継ぎ目がないことから、製造時の接合部分が原因とは考えにくく、使用されている樹脂の強度や構造そのものに問題がある可能性も考えられます。
また、リングの裏側を見ると、想像されるほど厚みがないようにも見えます。ヘッドバンドを伸縮させるスライダーがリングの端部を押すことで力が集中し、長期間の使用によって亀裂が生じる可能性もあります。

ただし、現時点では具体的な破損原因が特定されたわけではありません。製造時期や地域によって使用部品などに違いがあるのか、それとも製品全体に共通する設計上の問題なのかも分かっていません。
今後さらに事例が増えれば、製造番号や販売地域などを比較することで、特定の生産ロットに集中しているのか、世界的に発生しているのかが見えてくる可能性があります。
WH-1000XM5のヒンジ問題とは別の故障
今回の件で注意したいのが、WH-1000XM6のヒンジ破損問題として一括りにするのは適切ではないという点です。
WH-1000XM6でもヒンジ周辺が破損したとみられる事例は少数ながら確認されていますが、今回複数報告されているのは、あくまでヘッドバンド端部の樹脂リングが割れるケースです。
一方、別の報告では、イヤーカップ内部でヘッドバンドとヒンジを固定する部分に問題が生じたとみられる事例もあります。
内部構造を確認すると、ヒンジ部分は金属製のパーツとブラケット、複数のネジなどによって固定されています。分解写真からは、中央部分を固定するネジが比較的短いことも確認されています。
この部分については、ネジが緩んだ場合に固定力が低下する可能性が指摘されています。ただし、ネジには緩み止め剤が使用されているとみられるため、実際にこれが原因で破損したのかどうかは分かっていません。
つまり、現時点で確認されているWH-1000XM6の破損報告には、ヘッドバンド端部の樹脂リングと内部のヒンジ固定部という、異なるケースが存在することになります。
修理方法を模索する動きも
樹脂リングが割れた場合、リングだけを交換できれば問題を解決できそうですが、実際にはヘッドバンドを大きく分解する必要があるとみられ、簡単な修理ではありません。
3Dプリンターで交換部品を製作する方法も考えられていますが、純正部品を取り外して新しいリングを装着するには、本体をかなり分解する必要があるとみられます。
一方、Redditでは破損したリングを補修するための3Dプリント用データを公開するユーザーも登場しています。こうしたユーザーによる修理方法が今後さらに広がる可能性もあります。
ただし、ヘッドバンドの構造を自分で分解することには別のリスクもあるため、破損した場合はまずメーカーの保証や修理対応を確認するのが無難でしょう。
高価格モデルだけにソニーの対応にも注目
今回の破損報告が気になるのは、WH-1000XM6がソニーの最上位クラスに位置する高価なヘッドホンだからです。
通常の使用でヘッドバンドの樹脂リングが破損したのであれば、ユーザー側の落下や強い衝撃などが原因ではない可能性もあります。少なくとも、今後同様の事例が増えた場合には、単なる消耗やユーザー側の扱いによる破損として片付けるのではなく、ソニー側による原因調査が期待されます。
ソニーのヘッドホンでは、過去にもWH-1000XM5のヒンジ破損をはじめ、複数のモデルでヘッドバンドやヒンジ周辺の破損がユーザーから報告されてきました。
現時点ではWH-1000XM6で大規模な故障が発生しているとは言えず、今回確認された13件だけで製品全体の耐久性に問題があると断定することもできません。ただ、同じ箇所の破損が今後も増えていくのであれば、設計や部材の強度を含めて何らかの共通要因が存在する可能性も出てきます。
WH-1000XM6を長期間使用しているユーザーにとっては、ヘッドバンドの端部に亀裂や変形が生じていないか、一度確認しておいたほうがよさそうです。


