元ソニー幹部が語るデジタル時代のPlayStation、ディスク廃止やPS Stars終了にも言及

ソニーが2028年1月以降に発売されるPlayStation向け新作タイトルについて、パッケージ版ディスクの生産を終了すると発表したことで、ゲーム業界ではデジタル配信への移行を巡る議論が活発になっています。

こうした中、約18年間にわたってソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)で勤務し、PlayStation Storeの成長を支えた元幹部のゴードン・ソーントン氏が、デジタルゲーム市場の現状や今後の展望について語りました。

PlayStation Storeを築いた元幹部の見解

ソーントン氏は2005年から2022年までSIEに在籍し、PlayStation Storeを世界有数のデジタルゲーム販売プラットフォームへと成長させた人物です。

在籍中はデジタル販売事業を統括し、PlayStation Storeやデジタル関連事業で年間140億ドル規模の売上を生み出す基盤づくりに携わりました。

現在はゲーム向け決済サービスを手掛ける企業で最高商務責任者(CCO)を務めています。

PlayStation Stars終了は「報酬設計」が課題だった

インタビューでは、年内で終了予定となっているPlayStationのロイヤリティプログラム「PlayStation Stars」にも話題が及びました。

ソーントン氏は、Microsoft Rewardsのような成功例と比較した上で、PlayStation Starsはプレイヤーの行動と報酬が十分に結び付いておらず、魅力的なインセンティブを提供できなかったことが終了につながったとの見方を示しています。

同氏は、これからのロイヤリティプログラムでは、ゲーム内での行動や目標達成と報酬をより密接に結び付けることが重要だと指摘しました。

さらに、現金や金銭的価値のある報酬をゲーム体験に組み込むことで、プレイヤーの継続率や収益性を高められる可能性があるとも述べています。

デジタル化は今後も進むとの見方

PlayStationがディスク版を段階的に終了する方針についても、ソーントン氏はデジタル配信への移行は自然な流れだとの考えを示しました。

同氏によれば、PlayStation Storeはすでに市場全体の約80~85%を占める規模まで成長しており、現在パッケージ版が競争力を持つのは新作発売直後の販売期間が中心だとしています。

発売から時間が経過したタイトルについては、PlayStation Storeが販売の中心になっているとの認識を示しました。

また、西ヨーロッパや米国では家庭用ゲーム機でもデジタル購入が一般的になりつつあり、定期的なセールによってユーザーが価格の下がるタイミングを待って購入するスタイルも定着していると説明しています。

デジタル版が安くならない理由とは

デジタル版は製造や物流コストが不要であるにもかかわらず、パッケージ版と同じ価格で販売されるケースが多いことについても見解を示しました。

ソーントン氏は、ゲーム価格は製造コストではなく、市場全体の価格戦略に基づいて決定されると説明しています。

価格は基本的にパブリッシャー側が設定しており、ソニーが一方的に価格を決めているわけではないと強調しました。

また、ゲーム業界では利益を最大化することを前提とした価格設定が行われており、デジタル版だからといって必ずしも安価になるわけではないとしています。

デジタル化への反発は続く可能性も

ソニーのディスク生産終了を巡っては、世界中で反対署名活動が行われるなど、パッケージ版の存続を求める声も少なくありません。

一方で、PlayStation Storeの利用拡大やデジタル販売の比率を踏まえると、業界全体がデジタル中心へ移行する流れは今後も続くとみられています。

今回のソーントン氏の発言は、長年PlayStationのデジタル事業を牽引してきた立場から、デジタル化の背景やロイヤリティプログラムの課題を示すものとして興味深い内容と言えそうです。

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