
発売から30年以上が経過した初代PlayStation(PS1)に、大容量RAMを搭載できる新たな改造が登場しました。
有志コミュニティによって開発されたこの改造では、標準の2MBだったメインメモリを8倍となる16MBまで拡張することが可能です。すべてのゲームで恩恵を受けられるわけではありませんが、自作ソフトや移植タイトルなど、新たな可能性を広げる改造として注目を集めています。
実は16MBまで対応できる設計だった

初代PlayStationは1994年の発売当時、2MBのRAMを搭載していました。
この容量でも「バイオハザード」や「ファイナルファンタジーVII」、「メタルギアソリッド」など数々の名作を動かしていましたが、実はハードウェア自体は16MBのRAMを扱えるよう設計されていたことが分かっています。
この機能は、家庭用PlayStationでは利用されませんでしたが、ソニーの業務用アーケード基板向けには活用されていました。
今回の改造は、その未使用だった機能を家庭用PlayStationで利用できるようにしたものです。
コミュニティが実現した16MB化
この改造を紹介したのは、YouTubeチャンネル「Macho Nacho Productions」のTito Perez氏です。

改造では、PS1に搭載されている4個の512KB RAMチップを取り外し、古いPC用メモリから取り出した8個の2MB EDO RAMチップへ交換します。
さらに、専用のQSB基板や追加配線、抵抗の取り付けなどを行うことで、16MBのRAMを利用できるようになります。
この手法は、開発者のTunerTom氏がソニーのアーケード基板を解析し、PSX.Devコミュニティと協力して実現したものとされています。
また、この改造は特にPU-8マザーボードを搭載した「SCPH-5500」など、多くのPS1本体に適用できるとされています。
市販ゲームへの効果は限定的

もっとも、16MB化したからといって、すべてのPlayStationソフトの動作が改善されるわけではありません。
ゲームによっては問題なく起動する一方で、メモリ構成の違いから起動できなくなるタイトルも確認されています。
そのため、この改造は既存ゲームの性能向上を目的とするよりも、新しい用途への活用が期待される技術と言えるでしょう。
自作ソフトや移植タイトルで真価を発揮
16MB RAM化の最大のメリットは、ホームブリュー(自作ソフト)や他機種からのゲーム移植で発揮されると期待されています。
例えば、「スーパーマリオ64」の移植版では、ゲーム全体を16MBのRAMへ読み込んで動作させることが可能になっています。
また、既存タイトルの描画距離(LOD)の改善や、高品質なグラフィックパッチなど、従来のPS1では難しかった表現も実現できる可能性があります。
30年以上前のゲーム機でありながら、コミュニティによる新たな技術開発によって、初代PlayStationは今なお進化を続けています。今回の16MB RAM化は、レトロゲームファンやハードウェア改造愛好家にとって、非常に興味深い取り組みとなりそうです。
