
Android関連の海外有名メディア「Android Police」が、Sonyのスマートフォン事業について興味深い論考を掲載しています。テーマはずばり「SamsungとGoogleにはSonyの存在が必要ではないか」というものです。
近年のスマートフォン市場、とりわけ米国では選択肢が限られつつあり、競争が停滞しているという指摘も少なくありません。そうした中で、かつて独自路線を貫いてきたSonyの復活を望む声があらためて注目されています。
LG撤退の衝撃、そして次に惜しまれる存在
記事ではまず、LGがスマートフォン事業から撤退した際の喪失感に触れています。ミッドレンジで高い完成度を誇った「LG Velvet」や、回転式デュアルディスプレイを採用したLG Wingなど、挑戦的な端末が評価されていただけに、撤退は大きな衝撃でした。
しかし筆者が「次に本気で戻ってきてほしい」と願っているのがSonyです。現在も海外では展開を続けているものの、米国市場では長らく存在感を示せていません。
小型フラッグシップや4K OLED──独自色の強さ
Sonyといえば、かつてはコンパクトなハイエンドモデルや4K OLEDディスプレイ搭載機など、他社が手を出しにくい分野に積極的に挑戦してきました。

たとえば、コンパクトながら高性能で人気を集めた「Xperia Z3 Compact」は、小型フラッグシップの魅力を再認識させた一台です。近年は再び小型ハイエンドのニーズが高まりつつありますが、もしSonyが本格的に展開していれば、その中心にいた可能性もあるでしょう。
また、XZ Premium、そしてXperia 1 Vまでの「Xperia 1シリーズ」に搭載された4K OLEDディスプレイは、他社製品ではなかなか味わえない体験を提供しました。縦長のアスペクト比と高解像度の組み合わせは、映画視聴との相性が抜群で、メディア消費に特化した一台として強い印象を残しました。
「撮る楽しさ」を追求するカメラ思想

Sonyの強みはカメラにもあります。「Xperia 1 VI」などに搭載されているCinema Proアプリは、一般的なオート撮影だけでなく、ホワイトバランスやシャッタースピードなどを細かく調整できる本格仕様です。
スマートフォンの写真が年々“加工前提”になっている中で、よりナチュラルな描写や細かなマニュアル操作を重視するユーザーにとって、Sonyのアプローチは今でも魅力的に映ります。動画撮影機能も充実しており、近年のXperiaはクリエイター志向の設計が目立っていました。
“AI控えめ”という差別化もあり得る
もうひとつ注目されているのがソフトウェア面です。SonyのAndroidは比較的シンプルで、不要なアプリや過度なカスタマイズが少ない点が評価されてきました。
現在は多くのメーカーがAI機能を前面に押し出していますが、実用性に疑問を感じているユーザーも一定数存在します。もしSonyが「AIを最小限に抑えたプレミアム端末」という立ち位置で再参入すれば、熱心なファン層を獲得できる可能性もあると、Android Policeは指摘しています。
停滞する競争環境に変化をもたらせるか

米国市場では、実質的にSamsungとGoogleがハイエンドAndroidをけん引している状況が続いています。折りたたみモデル以外で大きな革新が見えにくくなっている今、異なる思想を持つメーカーの参入は刺激になるはずです。
確かに近年のXperiaは価格設定や仕様面で賛否が分かれる部分もありました。それでも、ハードウェアに明確なテーマを持たせ、カメラや映像体験にこだわる姿勢は、他社にはない魅力です。
市場に「もう一社の本気」が加わるだけで、競争環境は大きく変わるかもしれません。Android PoliceはかつてはどちらかというとXperiaに批判的な姿勢が目立ったのですが、今回の記事は、単なる懐古ではなく、停滞気味のスマートフォン市場に多様性を取り戻す存在としてSonyを再評価する内容でした。今後、米国市場での本格復活があるのか、引き続き注目したいところです。

