
Xiaomi 17 Ultraは、スマートフォンのカメラ開発において大きな方向転換を示すモデルになりそうです。強力な画像処理に頼るのではなく、光学性能そのものを重視する姿勢を打ち出し、Leica認証のAPO望遠レンズと2億画素センサーを組み合わせています。これは、長年にわたるLeicaとの協業で培ってきた撮影思想を、より明確に反映した構成と言えます。
Leica APOとは何か
Leica APOはアポクロマート設計を意味し、非常に高い光学基準を満たしたレンズ技術です。一般的なレンズでは、色ごとに焦点位置がわずかにずれるため、輪郭部分に色にじみが発生しやすくなります。
APOレンズでは赤・緑・青の3原色を同一の焦点面に収束させるため、光がセンサーに届く前の段階で色収差を抑えられます。その結果、エッジのにじみが少なく、微細なコントラストや色再現性が高い描写が可能になります。

一般的なスマホ望遠との違い
多くのスマートフォンに採用されている望遠レンズは、2色のみを補正するアクロマート設計が主流です。これに対し、APOレンズは3色すべてを正確に補正できるため、色収差を大幅に低減できます。
その違いは、拡大表示した際のシャープさや、被写体の輪郭の自然さとして現れやすく、特に高コントラストな場面で差が出ます。

Xiaomi 17 Ultraの光学構造の進化
Xiaomi 17 Ultraでは、従来のペリスコープ構造に加え、大型センサーに最適化されたフローティング式APO望遠構造を採用するとされています。
光路を最適化したプリズム設計により光量ロスを抑え、さらにフローティングフォーカス機構によって、遠景から近接撮影まで安定したピント精度を実現します。これにより、スマートフォンサイズを維持しながら、光学効率と描写の一貫性を高めています。

2億画素センサーとの組み合わせ
このAPO望遠レンズは、Samsung製の2億画素ISOCELL HP9センサーと組み合わされる見込みです。高解像度センサーは光学精度への要求が非常に高く、APOレンズの特性が活きる構成と言えます。
通常撮影ではピクセルビニングにより感度を高め、ズーム時にはデジタル拡大ではなくセンサークロップを活用することで、ディテールを保ったまま拡大撮影が可能になります。
ユーザーにとっての実用的なメリット
この構成によって、色にじみの少ないクリアな写真、焦点距離全域で安定したシャープさ、Leicaらしい自然な色味が期待できます。特に望遠撮影時の暗所性能や、メインカメラとの画作りの統一感は、これまで多くのスマートフォンが苦手としてきた部分です。
Xiaomi 17 Ultraに搭載されるLeica APO望遠システムは、単なる高画素化や強力なアルゴリズム競争とは一線を画すアプローチです。光学精度をハードウェアレベルで突き詰めることで、より自然で信頼性の高いズーム撮影を実現しようとしています。このモデルは、カメラ重視のスマートフォンがどこまで進化できるのかを示す、一つの指標になりそうです。


