次世代Pixel 11向けTensor G6、MediaTekの発想を取り入れた大胆な設計変更が浮上

Googleが開発を進めている次世代SoC「Tensor G6」が、MediaTekの最新チップ「Dimensity 9500」の設計思想を一部取り入れている可能性が浮上しました。Tensor G6は、次世代のPixel 11シリーズに搭載される見込みとされており、これまで指摘されてきた性能面の課題を克服する転換点になるかもしれません。

Tensor G5とDimensity 9500、設計思想の違い

現行のTensor G5は、実用性を重視した堅実なチップとして評価される一方、性能面では競合に後れを取っているのが実情です。特にMediaTekのDimensity 9500は、アーキテクチャ面で積極的な挑戦を行い、各種ベンチマークでTensor G5を上回る結果を残しています。

Dimensity 9500は、最新世代のARMコアを採用したCPU構成や、レイトレーシング対応GPU、高性能NPUを備えるなど、リスクを取った設計が特徴です。一方のTensor G5は、やや世代の古いCPUコアやレイトレーシング非対応GPUを採用しており、設計の保守性が指摘されてきました。

Tensor G6の概要、コードネームはMalibu

報道によると、Tensor G6は社内コードネーム「Malibu」と呼ばれており、TSMCの2nmプロセスで製造され、2026年後半に登場する可能性が高いとされています。次世代Pixel 11シリーズでの採用が見込まれており、Tensorシリーズとしては大きな進化が期待されています。

CPUは8コア構成で、ARM Cortex-X930を1基、性能重視のCortex-A730を6基、省電力向けの小型コアを1基という構成になるとされています。これは、従来の1+5+2構成から大きく変更された形です。

効率コアを減らし性能重視へ

Tensor G6で注目される変更点の一つが、効率コアの比重を下げた構成です。Tensor G5では複数の効率コアが採用されていましたが、G6では高性能コアを増やすことで、全体的な処理性能の底上げを狙っているとみられます。

これは、Dimensity 9500が効率コアを大胆に整理し、性能向上を実現した流れと重なる部分であり、Googleがその成果を意識している可能性があります。

最新ARMコア採用で性能差の解消を狙う

もう一つの大きなポイントは、CPUコアの世代です。Tensor G5に採用されていたCortex-X4は、登場から時間が経過しており、競合との差を広げる要因となっていました。

Tensor G6では、まだ商用化されていない最新世代のCortex-X930を採用する見通しで、これにより長らく指摘されてきたCPU性能面の不満が解消される可能性があります。Googleが最新ARMコアへ本格的に舵を切った点は、Pixelユーザーにとって朗報と言えそうです。

GPUとAI、ややちぐはぐな印象も

一方で、GPUについてはやや不可解な動きも伝えられています。Tensor G6には、Tensor G5よりも世代の古いIMG CXT系GPUが採用される可能性があるとされており、CPUの進化とは対照的です。

AI処理については、従来の独自TPUに加え、軽量処理向けのnano TPUを組み合わせる構成が噂されており、オンデバイスAIの効率化が図られる見通しです。また、モデムについてもSamsung製からMediaTek製M90モデムへ切り替わり、最大12Gbpsの下り速度に対応するとされています。

Tensor G6は、CPU設計では明確な進化が見込まれる一方、GPU構成には課題も残りそうです。それでも、次世代Pixel 11シリーズに向けて、Googleがこれまで以上に攻めた選択をしていることは確かであり、Tensorシリーズの評価を大きく変えるSoCになる可能性があります。今後の正式発表に注目したいところです。

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