スマホ依存の親の影響で子どもが相談相手がAIに 3人に1人が頼る状況が明らかに

スマートフォンメーカーが「スマホを置こう」と呼びかけるのは皮肉にも思えますが、vivoが発表した最新の「Switch Off」調査(第7回)は、耳を傾けたくなる内容でした。2025年版のデータからは、インドの家庭に広がる“見えないコミュニケーション断絶”が浮かび上がっています。

親の方が「画面に夢中」だった

調査を担当したCyberMedia Researchによると、1日の平均画面使用時間は大人が4.4時間、子どもが3.5時間という結果に。
「スマホばかり」と叱られる側より、実は親の方が長時間画面に向かっているという実態が明らかになりました。

3人に1人の子どもが「親よりAIに相談」

今回のレポートで最も衝撃的だったのは、子どもたちが誰に話を聞いてもらっているのかという点です。

通知や仕事のメールに気を取られる大人を横目に、33%の子どもが時々AIを親代わりにしていると回答しました。
「AI依存が進むと、子どもの好奇心から生まれる親子の会話が減る」とレポートは警鐘を鳴らしています。

たとえば夕食の席で、子どもが質問を投げかけても、親がスマホをチェックしてしまう。その瞬間、子どもは問いかけをやめ、代わりにAIに答えを求めるようになる—そんな状況が珍しくないようです。

それでも家族は努力している 鍵は「スマホを置くこと」

調査はムンバイ、デリー、バンガロールなどの都市部を中心に約1500人を対象に実施されました。その中には明るい傾向もあります。

  • 91%の子どもが「スマホが視界から消えると会話しやすくなる」と回答
  • 87%が「夕食の時間が一番話しやすい」と実感

家族が意識してスマホを遠ざけることで、まだ十分に関係を取り戻せるという希望も見えてきます。

会話を壊す主犯は「ながらチェック」

レポートで繰り返し指摘されているのが、いわゆる「マイクロチェック」と呼ばれる行動です。
会話中にほんの一瞬だけスマホをのぞき込む癖が、子どもとの関係に確実に影響しているといいます。

  • 親の 70% は、子どもと映画を観ている最中にスマホを確認
  • 53% は、食事中にもチェックしてしまう

これが積み重なると、子どもは「自分よりスマホの方が大事なんだ」と感じてしまう、と研究チームは分析しています。

vivo Indiaで企業戦略を担当するGeetaj Channana氏も「技術は人との関係を深めるためのものであるべきだ」とコメントしました。

スマホとの距離をどう取るか

2026年に向かう今、最も効果的な“ペアレンタルコントロール”は子どものスマホに制限をかけることではなく、親自身がスマホから少し距離を置くことなのかもしれません。
机の引き出しにスマートフォンをしまうだけで、家族の会話は大きく変わる——そんな示唆に富んだ調査結果となっています。

ソース

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