
Samsungが自社初となる2nm GAAプロセス採用チップ「Exynos 2600」を年内に量産開始するとみられていましたが、最新の韓国報道によると、現時点ではまだ量産段階に入っていないことが分かりました。Galaxy S26シリーズは2026年2月の登場が予定されているだけに、供給体制が間に合うのか注目が集まっています。
進捗報告はあったものの、量産は未到達
今年9月時点では、Samsungが2nm GAAの歩留まりを約50%まで引き上げ、量産に向けた準備が順調に進んでいると見られていました。また、同社はExynos 2600のティザートレーラーを公開しており、「すでに本格生産に入ったのでは」との憶測も広がっていました。
しかし、韓国メディア「Money Today」の最新情報によると、Samsungは依然として本格的な量産には踏み切っていないとのことです。2nm GAAプロセスは従来以上に製造難易度が高く、最終的な歩留まり改善に向けた追加検証が続いている可能性があります。
歩留まり改善に向けた“調整期間”?
DRAMやNANDフラッシュの価格上昇が続くなか、製造コストを抑えるには歩留まり向上が欠かせません。Samsungが生産ラインの最適化を優先し、あえて量産入りを遅らせている可能性も指摘されています。実際、同社は2025年末までに歩留まりを70%へ引き上げる計画が報じられており、これが達成できれば外部顧客からの受注にも大きく影響します。
一方で、すでに中国の暗号通貨マイニング機器メーカー2社から2nm GAAプロセスの受注を獲得しているほか、Teslaとの大規模契約も成立。さらに2nm GAAノードの性能数値も正式公開されており、技術的な確度は高まっている状況です。
Galaxy S26の発売スケジュールはどうなる?
Galaxy S26シリーズは2026年2月に発表予定とされています。現在12月であることを考えると、量産が始まっていない場合は「本当に間に合うのか」という疑問も出てきます。
とはいえ、製造ラインの裏側がすべて公開されているわけではなく、すでに量産がスタートしている可能性を完全には否定できません。「量産を開始したうえで歩留まり調整を続けている」という見方も根強く、実際の状況は依然として不透明です。
今後の鍵は“歩留まり”
歩留まりが上がれば不良品率が下がり、そのぶん生産コストも軽減できます。Samsungにとって2nmは次世代事業の柱となる技術だけに、焦って量産に踏み切るよりも、安定したプロセスを確立する方が長期的には得策と言えるかもしれません。
Galaxy S26にExynos 2600が十分供給されるのか、そしてSamsungの2nm戦略がどこまで競争力を発揮できるのか。今後の報道からも目が離せない状況が続きそうです。

