
iPhone 16 Pro Maxに搭載されている「A18 Pro」が、上位世代のA19 Proを搭載したiPhone Airに迫るどころか、条件次第では上回る性能を出す――そんな興味深い検証結果がSNS上で注目を集めています。
冷やせば“世代差”を埋められる?
今回話題になったのは、Redditユーザー「VenZoah」によるベンチマーク検証。通常使用では世代差があるとされるA18 Proですが、外部冷却で温度をしっかり下げた状態で測定したところ、A19 Proに匹敵するスコアを記録したと報告しています。
A18 ProとA19 ProはいずれもTSMCの3nmプロセスで製造されていますが、Appleは世代が進むごとに微細化や最適化を重ね、上位SoCの性能差を作っています。ところが、発熱が抑えられれば“性能差の前提”が崩れる可能性があるわけです。
実際のスコア比較

検証で公開されたGeekbench 6のスコアは以下の通り。
| 条件 | シングル | マルチ |
|---|---|---|
| 外部冷却されたiPhone 16 Pro Max(A18 Pro) | 3,630 | 9,638 |
| 内部冷却のみのiPhone Air(A19 Pro) | 3,687 | 9,390 |
シングル性能はほぼ同等、そしてマルチ性能ではむしろA18 Proが上回る結果となりました。
なぜAppleは“あえて冷却強化しなかった”のか?
同ユーザーはさらに興味深い推測も提示しています。それは、**iPhone 16 Proシリーズにベイパーチャンバー(高性能冷却技術)を搭載していないのは意図的だったのでは?**というもの。
もし冷却性能を強化していた場合、
→ iPhone 16 Pro / Pro Max が iPhone 17 Proシリーズに近い性能を発揮
→ 世代差が分かりづらくなり、ユーザーから批判が集中
・・・といった状況もあり得たという見方です。
実際、A18 Proは冷却さえ十分なら3DMark Steel Nomad Lightでも90%以上の性能維持が可能とされ、冷却の有無が性能の決定要因になることを示すデータが増えています。
性能競争の主役はチップから“冷却”へ?
こうした検証結果を見る限り、今後のスマホ性能競争は単純にチップの性能だけでなく、冷却設計も大きな差別化ポイントになる可能性があります。
Appleが次のハイエンドiPhoneに冷却強化を採用するのか、あるいは意図的に制御し続けるのか――その判断にも注目が集まりそうです。

