
ソニーがついに200MPクラスのスマホ用カメラ市場に本格参入します。新たに発表された「LYTIA」は、サムスン勢がリードしてきた超高解像センサー市場に挑む旗艦モデルとして位置づけられており、ハイエンド機向けの強力な一手となりそうです。
1/1.12インチ・200MPの巨大センサー、AI処理を内蔵

Lytia 901は1/1.12インチ型・約200MPの超大型センサーで、ピクセルサイズは0.7μm。特徴的なのは、ソニー独自の「Quad-Quad Bayer Coding(QQBC)」という構造で、4×4の同色画素をひとつのブロックとして扱い、16画素を1画素として処理することで、通常時は12.5MPとして撮影します。
さらに、注目すべきポイントはAI処理専用の回路をセンサー自体に搭載していること。このAIが、ズーム時のリモザイク(画素復元)を高速かつ高精度に行い、細かい模様や文字などの解像感を大きく向上させるとしています。
4Kでの撮影では最大4倍ズームでも高画質を維持したまま最大30fpsに対応できるとのことです。
HDR性能も強化、8K動画対応

ダイナミックレンジ面でも大きな進化があります。
- DCG-HDRによる高ダイナミックレンジ化
- 12bit ADCで従来10bitから大幅に諧調性能を向上
- Hybrid Frame HDR(HF-HDR)により100dB以上のHDR性能を実現
これにより、白飛びしやすい明部や黒潰れしやすい暗部でも、人間の目に近い自然な描写が可能になるといいます。
動画は8K 30fps、4K 120fpsに対応。静止画では12.5MPで60fps連写、50MPで30fps、200MPでも10fpsと、フラッグシップ向けらしい性能が示されています。


Oppoやvivoに続き、Xperiaも採用なるか?
LYTIAは、Oppo「Find X9 Ultra」、vivo「X300 Ultra」への採用が有力視されており、メーカー向け出荷もすでに開始されたとのこと。しかし、ソニーのスマホブランド「Xperia」への搭載は現時点で明言されていないものの、これほどのフラッグシップセンサーを自社ブランドがスルーするとは考えにくいとの声もあります。
もし採用されるのであれば、その候補は2026年の次期フラッグシップ、「Xperia 1 VIII」にLYTIAとほぼ同スペックの別センサー名でという可能性はありそうです。望遠を重視してきたXperiaシリーズにとっても、超高解像センサーとの組み合わせは大きな武器になる可能性があります。
“大型×高画素×AI”の三本柱がスマホ撮影の新時代に
センサー自体にAI回路を内蔵するという方向性は、画素数競争に限界が見えてきたスマホカメラに対する新たな解決策とも言えます。
LYTIA 901の登場は、撮像技術そのものを“スマホ側ではなくセンサー側で進化させる”という流れを加速させるかもしれません。
今後登場する各社フラッグシップ端末、そしてXperiaの動向からも目が離せなくなりそうです。


